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詩の紹介

 昨年秋にも紹介した詩です。
 今日から少々の間、工藤直子さんシリーズです。
  
  ほほう
       工藤直子

 ひだりの耳を すますと
 遠い遠いむかしの音が きこえました
 わかい地球の わかい海で
 ぴちっ
 はじめて いのちが生まれた音

 みぎの耳を すますと
 はるかはるか未来の音が きこえました
 空のむこうの むこうの むこうで
 ぽんっ
 あたらしい世界のとびらが ひらいた音

 まんまるく目をあけて
 ぐるりと まわりを見まわして
 ぼくは ほほう! と鳴きました
  ぼくは「いま」に いるんだな ほほう!
  ぼくは「ここ」に いるんだな ほほう!
  ぼくは「ぼく」で いるんだな ほほう!

 遠いむかしと はるかな未来に はさまれて

 ※工藤直子シリーズ始まりです。

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詩の紹介です

 今日も夕焼け小焼け♪♪の時刻となりました。
 先ほど校長室に僅かな夕陽のかけらが差し込みました。校長室の位置・柱の位置、窓の大きさからして夕陽が差し込むのは年に数日だけです。
 思わず4階に上がり、写真撮影です。
 それはそれとして、今日はこの詩です。

  わたしたちも
     木村 信子

 もし 地球ごと飛べたら
 みんなで
 遠くに行ける

 知らない星とぶつかりそうになって
 どきどきしたり
 地球そっくりなものに出合って
 なん億本もの手と手であくしゅする

 無限の宇宙のなかで
 地球は小さくて
 わたしたちは
 もっとちっぽけも
 わたしたちの可能性は
 宇宙とおなじに
 無限

 ※写真中は「無限」の鉄棒女子です。
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ちょっと箸休め

 明日は「朝のあいさつ定期便の日」水曜日です。
 そこでちょこっとこんな詩の紹介です。

  挨拶の下手な人に
     阪田 寛夫
  
 昨夜辞書をひいておどろいた
 挨は押し合う
 拶も押し合う
 挨拶とは押し合いへし合いのことだった
 ドリトル先生の両頭獣「Pushmi-Pullyu」を
 井伏鱒二氏はオシツオサレツと訳されたが
 人類も挨拶をする珍獣か
 昔この字を習うとき
 手偏に「ム矢三くタ」
 むやみに食うから挨拶できない
 なんて教わったんだけど
 今朝からぼくはおしくらまんじゅう
 押されて泣くなとがんばっている

※この詩から「挨拶」の漢字を覚えていただけると幸いです。
※「Pushmi-Pullyu」は「ドリトル先生シリーズ」の登場人物で胴体の前後に頭がついているキャラクター。井伏鱒二訳では「オシツオサレツ」だが、河井祥一郎訳では「ボクコチキミアチ」となっている。これまたこれで愉快な訳です。

※写真は6年生12年後の自分の力作です。
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詩の紹介

 今日はこの詩です。記憶と記録をたどれば、一昨年度のこの時期にも紹介した詩です。
 三連休開けのややお疲れモードの自分にも届けます。

  大丈夫
      関洋子

 若さは不思議です
 ときどき心に嵐を呼びます
 まるで穏やかな日を自分から
 蹴散らしでもするように

 昨日笑って
 今日泣いて
 明日怒って
 自分と自分がぶつかり合って
 嫌になったり好きになったり

 若さは元気です
 だから何度でもくりかえします
 いやというほどに
 そして大人になるのです

 いま
 自分に問うてみます
 どんな大人になりたいかを
 そのあとゆっくり
 まわりを見渡すと
 ひとりやふたり
 目標になる大人がいるはずです

 その人に近づけるように
 努力すること
 めったやたら力んでもだめです
 静かな技術の習得が大切です

 愛がなければ人間ではない
 人間になるための
 技術の習得です

 これで大丈夫
 あなたの明日が好意を持って
 握手します

※今また「静かな技術の習得です」特にここに惹かれます。
 歳を重ねて「嵐」は少なくなりました。しかし、なかなか「大丈夫」とは感じません。
 しかし、静かな技術」確かに若い頃よりは身についてきました。何度か繰り返し読みたい詩です。
 ※写真は「静かな技術を習得」している1年生です。
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詩の紹介

 今週もまた、学校終末となりました。
 11月の登校もあと5日、はやいものです。
 今日はホッとこの詩です。
 
 今日はきのうの続きだけれど
     みつはしちかこ

 今日はきのうの続きだけれど
 朝ごとに目覚めるように
 いちにちは 日々に新しい

 きのうのぬくもりを肌に
 今日のつめたい服を着よう

 ちょっとひざまづいて
 祈りに似た気持ちで
 手早く服を着よう

 窓をあけて
 きのうとは違う
 新しい季節の顔に
 あいさつを送ろう

 雨でもよし 風でもよし
 曇りでも 嵐でもよし

 わたしの今日は
 これからはじまる

 漢字とひらがなの使い分けにホッとする思いです。なぜなのか作者にしか分からないでしょうが、読んでてホッとします。
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詩の紹介です

 今日も様々にいろいろなことがありました。感謝の思いを込めて「お疲れ様でした」の詩の紹介です。

  お疲れ様
   あわやまり

 疲れている人に
 一言
 心をこめて
 言う
 
 お疲れ様
 
 すると
 その人についていた
 「疲れ」が
 様をつけられて
 ご機嫌になって
 自分は神さまの類かと思って
 こんなところにはいられない
 行かなければ、と
 あなたから離れていくはず

 だから心を込めて
 今日も一日
 お疲れ様
 
 ※楠那っ子たち、今日は午前中は「黄金山登山」でリーダーのサポートを受けて自然満喫。午後からは「下校訓練」で命を守るために「備えよ常に」の実践です。
 先生達も慌ただしくピリピリとした緊張感の1日でした。
 また、集団下校訓練・楠那地区街頭巡回にお越しいただいた、仁保・段原・楠那民児協の方、楠那小PTA、楠那子ども会、楠那青少協のみなさんありがとうございました。 

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詩の紹介

 今日は詩というか、こんな話の紹介です。

   名乗るほどの者ではない
       伊藤 芳博

 ゲームセンターで恐喝があった
 それを止めて
 丸く収めた高校生がいたということだ
 彼は店主に名前を聞かれると
 「名乗るほどの者ではない」とだけ言って
 そそくさと立ち去ったそうだ
 しかし 感激した店主によって
 すぐに彼の身元は判明し
 本校の2年生の生徒 小山君だと分かった
 言うまでもないことだが
 (言う必要があって言えば)
 本県では高校生のゲームセンター出入りは禁止されている
 「名乗るほどの者ではない」だなんて
 実は名乗れなかったんだ
 本校の生徒指導主事である僕は
 この話が大いに好きだ
 店主のお礼の言葉を背に受けながら
 ドアのむこうに消えてゆく少年の名前を
 僕も知らない

 ※「僕も知らない」と言い切る教師の言葉が素敵です。
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詩の紹介

 今日は訳ありまして、どうしてもこの詩を紹介します。
 以前にも紹介したことがありますがご容赦ください。
 初めてこの詩に出会った10年ほど前、ズシンと心に響きました。
 「微笑みのまなざして、固有名詞で呼びかけよう」の言葉とともに、この詩は私の仕事の芯を創っています。

   小さな質問
     高階杞一

 すいーっ と 空から降りてきて
 水辺の
 草の
 葉先に止まると
 背筋をのばし
 その子は
 体ごと
 神さまにきいた

  なぜ ぼくはトンボなの?

 神さまは
 人間にはきこえない声で
 トンボに言った

  ここに今
  君が必要だから

 「すいーっ」「背筋をのばし」「体ごと」「きこえない声で」・・そして最後の二行です。「ここに今 君が必要だから」一つ一つの言葉全てに意味を感じます。景色が浮かびます。高階杞一さんの詩はこれしか知りません・・・しかし、私の中でこの詩の景色は、しょっちゅう浮かび、巡り、元気回復です。
 人はみな「今、ここに必要なのです」
 高階杞一さんの詩集を注文する気になっています。
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詩の紹介です

 つい最近、またまた「言葉」が気になっています。自分の、人の、子どもたちの「言葉」です。
 様々な場面、自分を含めた「人」が遣う「言葉」が良きにつけても悪しきにつけても気になるのです。
 そこで、今日はこの詩の紹介です。
 
  不明
   尾崎 照代

 ことばが こころではないように
 こころが ことばにならない
 もどかしさ

 ことばによってきずつき
 なみだをながすということは
 こころもなみだをながす

 ことばの
 あいまいさ うしろめたさ 
 つみぶかさ いじらしさ
  
 こころは かくじつにあるのに
 とどかないことの ふれあいえないことの
 かなしさ

 どうしたら
 ことばとこころのたしかなむすびつきに
 であえるのだろう

 ※言葉は他人(先人達)がつくったもの、それをつかって心を表すということが「あいまいさ」になるのでしょう。しかし、「あいまいだから」「いじらしいから」それが良い気がします。
 心には僅かにしかない感情も言葉の遣い方次第では、相手に大きく響くこともあります。良きにつけても悪しきにつけてもです。
 「言葉と心の確かな結びつき」かなり難易度の高い作業です。
 「言葉十心の結びつき」を感じる人に出会った時、心が喜びます。

 ※写真は「言葉と心の確かな結びつき」を育むために仲間と関わり学び合う楠那っ子です。11月7日動物園の1・2年生です。
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詩の紹介

 今日はこんな時間に詩の紹介です。

  なぜ
    関今日子

 When(いつ)
 Where(どこで)
 What(なにを)
 How(どのように)
 それらは
 調べればわかること
 Why(なぜ)
 これだけはどうしても
 わからない時がある
 なぜは姿をかくすから
 なぜは形をかえるから
 なぜはうそもつけるから
 なぜには鍵がかかるから

 それなのに
 なぜか
 なぜか
 一番知りたい

 ※「Why あなたはなぜ、HPで詩の紹介をしているのですか?」と問われると一言では語れない思いがあります。結構多くの訳があります。だからWhyが面白いのです。
 全てを語らず鍵をかけることができるのがWhyの良い所です。

 ※写真は「今日の昼休憩 グラウンドで ボールを 手打ち」している4年生です。なぜか男女一一緒に手打ち野球をしている4年生。
  Why・・クラス全員遊びも一つの答えですが、他にもWhyはあるでしょう。「こうして遊ぶと楽しいから」もまた一つのWhyです。
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今日の詩

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 今日はこの詩です。1年生の合同音楽や、昼休憩の楠那っ子の姿をみて、この詩にしました。
 
   動詞 
    友花

  笑ってる
  歌ってる
  薫ってる
  弾んでる
  感動してる
  夢見てる
  潤ってる
  照らしてる
  包んでる
  輝いてる
  寄り添ってる
  愛してる

  柔らかな動詞に踊っていたい

  出典「日本語を楽しむ100の詩」たんぽぽ出版

  ※反対に固い動詞とは、たまの出合いといきたいものです。
  ※写真は4年生自画像です。
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詩の紹介

 今日も学校週初め、夕焼け小焼け♪♪の時刻です。
 今日はいろいろ考えて、この詩です。

    落ちこぼれ
       茨木 のり子
 落ちこぼれ
 和菓子の名につけたいようなやさしさ
 落ちこぼれ
 いまは自嘲や出来そこないの謂(いい)
 落ちこぼれないための
 ばかばかしくも切ない修業
 落ちこぼれにこそ
 魅力も風合いも薫るのに
 落ちこぼれの実
  いっぱい包容できるのが豊かな大地
 それならお前が落ちこぼれろ
  はい 女としてはとっくに落ちこぼれ
 落ちこぼれずに旨げに成って
  むざむざ食われてなるものか
 落ちこぼれ
  結果ではなく
 落ちこぼれ
  華々しい意志であれ

 ※30年近く前、最初に尾長小学校に赴任した時、同学年の先生から教えていただいた詩です。この詩に出会ってから「詩」に惹かれていきました。茨木のり子さんの詩は「自分の感受性くらい」を紹介した記憶があります。
 人は誰しも、何かの部分で何かの面で「落ちこぼれ」ではないでしょうか。
 和菓子の名のような意志のある「落ちこぼれ」ホッとしませんか。

※写真もいろいろ考えてこの写真です。
 写真上・中は宮島の紅葉です。今週末が最高の見頃でしょう。
 写真下は楠那小の桜紅葉です。

「落ち葉」になる前の紅葉です。

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詩の紹介

 今週も学校終末金曜日夕焼け小焼け♪♪の時刻です。 

 となり
    田中 章義

 「ゆっくり」とか「ほっと」という言葉の中の
 小さな「っ」は、
 それだけでは意味がない。
 でも、となりに他の言葉がくると、
 とたんにぐんぐん活きてくる。

 何かに、とってもよく似ている。

 晴れた空では
 大きな星が小さな星のいろんな話を
 きかせてあげているのだろう。

 僕らが生まれるずっと前から
 宇宙はきっと、そんな場所だった。

 ※10月29日に紹介した「ま」の詩にも通じます。小さな「っ」の存在は他者との関係の中で活きてくる。「ま」も同様です。
 「っ」を宇宙レベルで視るている視点に感動します。

 ※写真中・下は「楠那小桜紅葉」です。
 「はっぱ」がきれいです。小さな「っ」が紅葉をつなぎます。
  写真下は仲間と「ま」をとりながら下校する楠那っ子と校舎です。
 
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詩の紹介

 子どもたちの力作を鑑賞しながら、ほっこりした気持ちで・・
 今日はこの詩の紹介です。

  生き方選び
    村松 良美

 わたしは
 わたしの

 わたしに
 わたしを

 わたしなど
 わたしより

 わたしでも
 わたしさえ

 わたしだけ
 わたしこそ

 何だか 疲れちゃったな
 いらない助詞(ことば)は 捨てて
 お気に入り ひとつ選んで
 身軽で いこっと
 わたし

 ※それぞれの助詞がついたわたしに、どんな言葉が続くのか考えてみるのもいいですね。
 
 そして、この詩が思い出されます。

   サラリ
    坂村 真民

  サラリと
  流してゆかん
  川の如く

  サラリと
  忘れてゆかん
  風の如く

  サラリと
  生きてゆかん
  雲の如く


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