今日は、あたたかい春の陽が降り注ぎ、正門やグラウンドの桜も満開で一足早い春の訪れを感じる日差しは、これまで何度となく迎えてきた「春」と何も変わりありません。しかし、今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により、今年度は4月15日からの一ヶ月半にわたる突然の臨時休業、1学年オリエンテーション合宿、体育祭、3学年職場体験学習、文化祭の中止、2学年修学旅行の延期、入学式・卒業式の大幅な縮小、長期休業の大幅な短縮、令和2年度の学校行事見直し、6月1日からの「新しい生活様式」による学校再開、部活動の選手権大会の中止など私たちの生活は一変しました。
　このような状況にもかかわらず、たくさん我慢し、たくさんの努力を積み重ねてくれ、冷静に対応してくれている生徒のみなさん、保護者の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
　特に3年生については、中学校最後の思い出の数々を奪ってしまったことを大変申し訳なく思っています。私たち教職員は、さまざまな情報の中から、優先順位を決め、この困難な状況を乗り越えることができるように苦悩し続けていました。この「最悪の状況の中で最善を尽くす」ために、「3年生全員の第一希望先への進路決定」を最大の目標にし、授業時数の確保に努めてきました。残念ながら全員の達成は叶いませんでしたが、昨年度に続き、90％以上の生徒が第一希望先への進学を決めることができました。希望が叶わなかった生徒も引き続き「夢の実現」を目指して努力を続けてくれることを信じています。ともに頑張りましょう。
　私たちは、先の見えない感染症の拡大に対抗していくために今こそこれまで学習してきた教科の幅広い知識を「生き抜くための知恵」に変える必要があります。「最悪の状況の中でも最善を尽くす」という粘り強い取組と強い自制心を身につけていきましょう。
　私たちが本当に恐れないといけないことは、間違った情報により振り回され、自らを見失い、見えない敵に恐れおののくことです。新年度に向けてもう一度私たちが大切にしてきたことを確認しておきましょう。
「互いに聴き合い、学び合い、支え合う」ことを心にとめて、これからも続く感染症との戦いに一丸となって立ち向かいましょう。決して最後まであきらめず、自分自身の「夢の実現」を目指して決して歩みを止めないでください。
　このような状況の中でも祇園東中学校を御支援いただいた皆様、一年間本当にありがとうございました。
　これからも引き続き、私たち教職員一同、「誰にとっても、安心・安全で『居心地の良い祇園東中学校』づくり」に努めてまいりますので、皆様の御理解と御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

広島市立祇園東中学校
校長　橋本　忍