最新更新日:2024/04/26
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校訓「やさしく つよく ただしく」  学校教育目標「創造・挑戦・前進する段原っ子の育成」  

学校だより 10月号

4・3・2制で捉えた教育活動の取組
 6月から学校の教育活動が再開して4ヶ月,例年より短い前期が終了しようとしています。子供たちは,新型コロナウイルス感染症による新しい生活様式と,学びの保障を両立するために毎日懸命に取り組み,どの学年も学習の遅れをほぼ取り戻しています。また,この取組を通して子供たち一人一人が,「自らを律し環境に合わせる適応力」「自ら考え判断し行動する主体性」を獲得してきました。しかしながら,このコロナ禍に伴う状況は,これまで学校が大切にしてきた「人とのふれあい・かかわり・つながり」を希薄なものにするとともに,伝統的な学校制度を見直し,新しい学校のスタイルを構築することを求めています。
そのひとつが,義務教育課程を4・3・2制で捉えた教育活動の在り方です。4・3・2制は,児童期の前期(小1〜小4)・後期(小5〜中1)と青年期(中2〜中3)の区分で,小中一貫校で多く実施されています。つまり,小学5年生,6年生と中学1年生を複雑で抽象的な見方・考え方ができるようになる時期,大人になっていく心の不安定な時期として,ひとつのまとまりで捉えた区分です。
戦後から続く伝統的な学校制度である6・3制(小学校と中学校)は現行の制度ですが,戦後と比較して現在の子どもの身体的成長等は2歳ほど早いと言われています。中学校に進学する6年生が,小学校と中学校の環境や文化の違いから自信を失い,不安や不満が増す「中1ギャップ」が社会的な問題となりました。現在では,小学校と中学校の連携・協力も進んでいますが,本校では,義務教育を4・3・2制で捉えることによって,よりスムーズな接続にしたいと考え,次のような新しい取組を始めていきます。
 まず,5年生・6年生において将来に備え,一定の時期に一部教科担任制で授業を行います。小学校では学級担任がほとんどの授業を受け持つ学級担任制,中学校では各教科の担当がそれぞれの授業を受け持つ教科担任制が一般的です。この小学校と中学校のギャップを軽減するために,5年生から一部で教科担任制を導入し,6年生ではその授業数を増やしていく試みを行います。一人一教科担当した教科を学年の各学級で指導を行うことは,その都度授業が改善され,より質の高い授業が実施されることになります。これによって,子供の学力向上も期待できると考えます。また,担任以外の教職員が子供にかかわることから,違った視点で子供を観ることが可能となり,子供の小さな変化を逃さず,早期対応できる生徒指導上の利点もあります。
 次に,任意による漢字検定,英語検定の実施です。漢字や英語に対する子供の知的好奇心を喚起し,身近な学校で受検できることは,有意義であると考えます。保護者の皆様の中にも,子供のころに興味・関心をもちながら,どこで何をどのようにすれば受検できるのか,不明なまま機会を逸してしまった方も多いと思います。特に,本年度から英語が教科化されており,資格を有することによって,将来の就職や進学に有利な場合も少なくありません。漢字検定については,すでに7月10日(金)77名の子供が受検を済ませており,10月23日(金)にも70名の子供が挑戦します。1月22日(金)には,英語検定が予定されています。
 このように段原小学校は,新しい教育内容・教育方法の実施によって,子供の教育を充実・発展させていきます。昨日よりも今日,今日よりも明日と挑戦をする学校することを通して,新たな学校教育文化を創出・確立し,段原小で学んでよかったという学校づくりを進めていきます。

9月7日は休校です。

9月7日午前7時現在,台風10号の影響により,暴風警報が発表されています。本日は臨時休校といたします。安全に注意して,御家庭で過ごすよう,よろしくお願いします。

学校だより 9月号

将来に向けて育てるべき能力・態度(2)
 子供たちは,例年より短い夏休みを終え,例年より早く始まった前期後半の学校生活に柔軟に対応しています。残暑とはいえ,連日35度を超える猛暑の中で,新型コロナウイルス感染症と熱中症の予防に気を付けながら,自らを律しうまく環境に適応して,学習や生活の課題に取り組んでいます。
 「学校の新しい生活様式」は,子供たちのあらゆる活動を制限しており,それは6年生の修学旅行,5年生の野外活動,延期された運動会においても,例外ではありません。これらの行事については,文部科学省,広島市教育委員会から,行事の教育的意義や子供たちの心情を踏まえ,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策を講じた上で,可能な限り実施する方向性が示されました。これを受けて,本年度の修学旅行,野外活動は,今後の新型コロナウイルスの感染状況により,中止しなければならないリスクがあることを留意したうえで,日程,活動の変更等を十分に検討して実施することとしました。運動会は,学年別に時間を設け,分散して行う予定です。いずれも,感染防止対策をできる限り徹底するとともに,子供たちに発熱等の感染が疑われる症状が出た場合の学校がとるべき対応について,十分に考慮して計画します。また,実施までの感染状況等により実施が困難と判断した際には,中止や延期,代替行事などの場合も想定しています。
さて,このようなコロナ禍に象徴されるような先行き不透明で未来予測が困難な時代,ストレスやプレッシャーの多い社会の中で,自己を実現していく子供たちにとっては,「自らを律し環境に合わせる適応力」が重要な能力・態度となります。この能力・態度は,近年「レジリエンス」として注目されており,人間としての復元力,回復力,抵抗力,耐久力,逆境力,弾力,強靱さといわれています。そして,この「自らを律し環境に合わせる適応力」を子供たちが身に付けるためには,次の4点が大切になります。
第1は,感情の起伏があまりないことです。結果に一喜一憂するのではなく,課題に対して黙々とこなし,些細なことに落ち込んだり,いらいらしたりしないことです。こつこつと努力する勤勉さ,まじめさ,粘り強さが求められるとともに,自分の良さや強みを自覚させていくことが大切になります。第2は,自尊感情をもっていることです。自尊感情とは,自分自身を好きだといえる気持ち,自分を大切に思える気持ち,自分には価値があるという気持ちであり,自分にはできない,無理だというように考えないことです。学校では,この自尊感情を育てるために,学習や生活において子供自身が自分で決める場と,活動の過程における肯定的評価を大切に指導しています。第3は,自己効力感があることです。自己効力感とは,失敗しても次に自分はできる,もう少しがんばれば自分はできると思う気持ちです。失敗の中のわずかな成長・進歩に着目し,成功体験を積み重ね,達成感を実感させたいと思います。第4は,楽観性があることです。いつかなんとかなる,たぶんうまくいくと,困難を前向きに考えることです。ここでは,以前流行した「鈍感力」が適度に必要であると思います。
このように,何が起こるかわからない社会をたくましく生き抜くためには,感情のコントロール,自尊感情,自己肯定感,楽観性が重要であると指摘されています。私は,これらの資質能力を言い換えれば,問題や困難を肯定的に捉え,その克服を自己の原動力にして乗り越えていく姿勢や気概であると考えます。
前号で述べた「自分で考え判断し行動する主体性」とあわせて,日常における嫌なこと,しんどいこと,苦しいことを前向きに捉え,それらを原動力に変えて問題を解決する経験や活動の積み重ねを通して,本校では子供たち一人一人に「自らを律し環境に合わせる適応力」を育てます。

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広島市立段原小学校
住所:広島県広島市南区的場町二丁目4-19
TEL:082-261-4245