最新更新日:2024/04/26
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校訓「やさしく つよく ただしく」  学校教育目標「創造・挑戦・前進する段原っ子の育成」  

学校だより 8月号

将来に向けて育てるべき能力・態度(1)
 8月6日に原爆投下から75年の広島平和記念日を迎えるとともに,本年度の夏季休業は,8月8日(土)から8月23日(日)までの短縮となります。この休業中も「新しい生活様式」に留意し,子供たち一人一人が日常で直面する問題に対して,自発的・自主的に考え,判断し,行動することが求められます。新型コロナウイルス感染症予防に伴って,自律的に行う体験や活動のひとつひとつが,先行き不透明で予測困難といわれる将来に向けての必要な能力・態度を育て,ひいては戦争のない平和な社会を築くことにつながります。この将来に向けての必要な能力・態度とは,「自ら進んで考え判断し行動する主体性」と「自らを律し環境に合わせる適応力」であると考えます。
 「自ら進んで考え判断し行動する主体性」とは,自分の意志や判断に基づき,責任をもって行動する態度であり,これからの社会においては,とりわけ「批判的に考える力」「未来を予測し計画する力」「多面的・総合的に考える力」「コミュニケーションを行う力」を基礎とする態度として成り立つことが大切です。本校では,「自主性」と「主体性」の相違に着目し,それを意識した指導を行うことが,子供を学習主体・生活主体に成長させるものと考えています。
一般的には,「自主性」とはやるべきことが明確で,その行動を人に言われなくても率先して行動すること,「主体性」とは,何をやるかは決まっていない状況で,自分で判断し,行動することと捉えられます。例えば,挨拶について言えば,まわりから言われる前に,自分から進んで挨拶ができるのは「自主性」であり,気持ちのよい挨拶をするためには,どのようにすればよいかを自ら考え,行動できるのが「主体性」と考えられます。つまり,「自主性」とは,言われる前にいかに早くするかという思考を伴わない,いわば反射的で,習慣的な行動であるのに対して,「主体性」は,「何のために,何を,どのようにするのか」という目的・内容・方法を自分の頭で考え,判断した行動であるといえます。また,人から言われるからする「自主性」は,自分の行動に対して責任を負うことはないのに対して,自分が考え,判断し,行動した「主体性」は,結果についての責任が伴います。学校においても,およそ両者を渾然一体と捉え,違いを明らかにしないまま,正しい答えをより速く正確に見つけ出すことを求める傾向にあることを反省し,改善する必要があります。
 この「主体性」をどのように育てるかについては,自明なものではありませんが,最近の論調からいくつかの要件に収斂することができます。
第1は,意味や意義を問うことです。日常の事柄や自分の行動に対して,「なぜか」という本質的な問いをもつのです。自問自答することによって,「自分は何を目指し,どのようにすべきか,しなければならないか」を自覚するようになります。第2は,自分で決めることです。自分の性格,能力,適性などを踏まえて,自分で選択・決定していくのです。まわりに同調するばかりでなく,自分らしさを発揮する経験も必要になります。第3は,見守り支えることです。子供が自分でできるように,大人が適切な指導性を発揮するのです。細かく言ってやらせる過干渉や,子供任せの自由放任に偏ることなく,大人が責任をもって行動できる場面をつくり,ほどよい距離でうまく関わりながら導く必要があります。第4は,他者からの肯定的な評価です。事柄の意義を理解し,自分で決めて行動した結果に対して,まわりが認めるのです。全体的にはうまくいかなくても部分的にほめたり,失敗してもそこに費やされた努力や,わずかな進歩を肯定的に評価したりすることが大切です。場合によっては,大きな失敗に対しても「よく思い切ってやった」とほめる度量があってよいのではないでしょうか。
 この学校だよりを作成する最中,高学年2人が「夏休みに学校のパンフレットを作りたい」と校長室を訪れました。まさに,「自ら進んで考え判断し行動する主体性」を発揮する子供たちを大変誇らしく思いました。

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広島市立段原小学校
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