最新更新日:2024/04/26
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校訓「やさしく つよく ただしく」  学校教育目標「創造・挑戦・前進する段原っ子の育成」  

学校だより 3月号

進級・進学に伴う新しい環境への適応
子供たちは,それぞれ進級・進学の新しいスタートを迎えます。そこでは,学習,生活,人間関係などの新しい環境に適応していくことが求められます。特に,中学校に進学する6年生は,小学校と中学校の環境や文化の相違から,不安や不満が増大する「中1ギャップ」の問題に直面することになります。
「中1ギャップ」とは,中学校入学後に学習面や生活面での大きな変化にうまく適応できない現象です。たとえば,学習面では,教科担任制になる,定期テストがあるなどがあります。教科ごとに指導者が異なるので,授業の進め方やノートの取り方も違い,各教科教員の指導法に慣れなければなりません。小学校と違って学級担任と共に過ごす時間が少なくなることから,学級担任との距離を感じやすくなります。また,各教科が中間,期末の2回の定期テストで一斉に実施されるため,学習内容の広がりと難易度の高まりに応じた学習法の習得が必要になります。学力差が顕在化し,自分自身の集団における相対的な学力をより具体的に知るようになります。
生活面では,人間関係に変化が生じる,校則や生活指導が厳しくなる,部活動が本格化するなどがあります。異なる小学校から集まった人間同士による友達関係をつくり上げたり,既存の友達関係をつくり直したりすることは大きなストレスとなり,携帯やメールによるトラブルも増えます。細やかな校則が増える一方で,自分で考えて行動する自律が求められ,子供が双方の矛盾の中でより良い自分のあり方に戸惑う場面が多くなります。部活動や登下校に多くの時間を要することになり,部活動においては,先輩と後輩の上下関係が出現し,そこでも自分が守るべき対人関係のコミュニケーションに関わるルールが増えることになります。
これらの学習面,生活面での変化とともに,心身の発達面でも第二次性徴が現れる時期となり,身体的,精神的に大きな変化のある思春期を迎えます。
「中1ギャップ」を克服するためには,人間としての適応力,耐久力,回復力,柔軟性などが大切になります。このストレスを跳ね返す能力・態度を獲得するための要件として,次の4点がいわれています(久世2014)。
第1に,結果に対して一喜一憂するのではなく,課題を黙々とこなし,些細なことに落ち込んだり,いらいらしたりしないことです。こつこつと努力する勤勉さ,まじめさ,粘り強さが求められるとともに,自分の良さや強みを自覚させていくことが大切になります。第2に,自分を大切に思える気持ち,自分には価値があるという気持ちをもって,自分にはできない,無理だというように考えないことです。この気持ちを育てるためには,学習や生活において子供自身が自分で決める場と,活動の過程におけるまわりの肯定的な評価を行うことが必要になります。第3に,失敗しても次はできる,もう少しがんばればできると思うことです。失敗の中のわずかな成長・進歩に着目し,成功体験とそれに伴う達成感の積み重ねが重要になります。第4に,いつかなんとかなる,たぶんうまくいくと,問題や困難に対してくよくよせず,前向きに考える楽観性をもつことです。ここでは,傷ついてもすぐに立ち直る,嫌なことをいわれてもじきに忘れる適度な鈍感力が求められます。
未来に向かう新たなスタートは,一方では異なる環境への適応という側面をもっており,見方を変えれば,適応力,耐久力,回復力,柔軟性などこれからの予測困難な社会を生き抜く能力・態度を養う貴重な教育の場面でもあります。これは,「中1ギャップ」のみならず,小学校進学における「小1プロブレム(問題)」,高等学校進学における「高1クライシス(危機)」においても同様であり,次の学年に進級する子供たちにとっても,少なからず存在する壁といえます。
子供たちが,自分と友達を大切にし,感情のコントロールをしながら,いつかできると信じて前向きに取り組み,進級・進学の環境変化を必ず乗り越えるように,3月は学年のまとめ・小学校の集大成をしていきます。

美化・飼育委員会  〜パンジーを植えたよ〜

 2月18日(木)は,今年度最後の委員会活動でした。
 美化・飼育委員会では,校舎前の花壇に,パンジーの苗を植えました。さすが,5・6年生なので,てきぱきと分担・協力して,作業をすることができました。
 きっと卒業式や入学式には,きれいな色の花がたくさん咲くと思います。

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万年カレンダー寄贈

 2月4日(木)に広島県立広島工業高等学校 建築科の生徒が卒業製作で作られた万年カレンダーを寄贈していただきました。
 組み合わせが自由で,いつまでも使用できるカレンダーです。正面玄関に置いてありますので,来校の際に,ご覧ください。
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学校だより 2月号

人とのかかわり・つながりの大切さ
 広島県における「第2次新型コロナ感染拡大防止集中対策」の実施・延長に伴い,広島市においても緊急事態措置に準じた対策が行われています。本校においても,子供たちの健康状態を的確に把握し,「学校の新しい生活様式」をより一層徹底するとともに,広島市教育委員会や学校医,関係機関と連携して感染症対策を講じています。一方で,子供たちは日常の体験を通して,自分で考え判断し行動すること,自らを律し環境に適応することを心がけてよく努力し,これからの予測不能な社会をよりよく生きていくために必要な力や態度を一層身に付けています。御家庭におかれましても,引き続き子供の日常的な健康管理と,各家庭での感染予防対策に御留意いただきますようお願いいたします。
 さて,このような長期にわたる新型コロナ感染症拡大状況と,個に応じた指導(指導の個別化と学習の個性化)という教育の潮流は,GIGAスクール構想の実現に向けた取り組みを一層加速しています。GIGAスクール構想とは,子供一人一人の学習者端末と,高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する国の施策に基づく構想のことです。この構想による急速な学校ICTを円滑に進めるため,タブレット端末の配置,校内ネットワーク環境の整備等が行われています。本校においても,来年度の早い時期に学校ICT環境が整い,オンラインによる授業が実施されることになりそうです。
 しかしながら,今後オンライン授業が普及し一般化されても,学校における対面型による授業の大切さは変わらないと考えます。ICT機器を媒介とした個に応じた指導ばかりでなく,子供相互の直接的な対話によって進行する人とかかわり・つながる学習活動は,子供の人間関係力・社会性を養う上でかけがえものです。特に,小集団を活用した教育方法によって,子供が一緒に取り組むことによって,自分の学習と互いの学習を最大限に高めようとする協働的な学習は尊重されるべきです。また,この集団の機能を活用した学習スタイルによって,オンラインによる学びの個別化・個性化も,その効果が大きくなるといえます。
人とのかかわり・つながりは,相手と正面から向き合い,愛情をもって働きかけ,真に相手を生かすことによって初めて成り立ちます。しかし,個別化・個性化・多様性を重視する現代の風潮は,何よりも自分のことが最優先され,人と人とが関わり合い・つながり合う関係を困難にしています。このような問題状況を克服し,人と人とがかかわり,つながり合うためには,自己実現と集団や社会の向上・発展を結びつけていく必要があります。やりたいことを進めていく自分の存在が,集団や社会からも広く認められるように,自己実現の追求をしていく必要があります。そこでは,夢や志の実現に向かう自分のあり方を,集団や社会の枠組みの中で考えていくとともに,まわりの集団や社会も思いやりと寛容・寛大さをもって認めていくことが重要になります。
 古くから,「自己目的」は人間を堕落させるといわれています。自己の目的の追求が,社会とのつながりを不問にした,いわゆる自分勝手な考え方に終始するようでは,人間として自分を高めていくことになりません。今の自分の行為・行動は,人に迷惑をかけていないか,地域や社会の発展につながっているかを子供たち自身が自問自答しながら,自らの行動を選択・決定していくことが大切です。子供たちが,これから出会うたくさんの人や物事との関係の中で,かけがえのない絆を築きながら,これからの予測困難な社会をよりよく生きる力と態度を育てていきたいと考えます。

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広島市立段原小学校
住所:広島県広島市南区的場町二丁目4-19
TEL:082-261-4245