最新更新日:2024/04/26
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校訓「やさしく つよく ただしく」  学校教育目標「創造・挑戦・前進する段原っ子の育成」  

社会に参画する資質能力・態度を育む

 11月15日は段原小学校創立記念日です。明治30年11月15日,広島市段原尋常小学校として創立した段原小学校は,122周年を迎えます。この122年の歴史と伝統を受け継いでいくことは大切なことですが,新たな「だんばら学び文化」の充実に向けて挑戦し,学校の変化・発展を推進していくことは更に重要であると考えます。子供たちが学校と地域を愛し,これからの社会を創造していく主体になるための「生きる力」を育む新しい教育を推進していきます。
 創立記念日に先駆け11月2日(土)は「学校に行こう週間」の取組として,「土曜参観日・なかよしまつり」が開催されます。多数の保護者や地域の皆様に御来校いただき,授業の参観やPTAによる催し物やバザーを通して,地域・家庭・学校の互いの心がふれあい,絆が深まる一日になることを願っています。子供たちが,様々な体験や活動を通して,地域や社会のために自分に何ができるかについて考える機会にしたいと思います。
 わが国においては,15年ほど前から,キャリア教育,すなわち個人が社会人・職業人として自立するために必要な資質能力や態度を育てる教育の重要性がさけばれています。本校においても,社会の中で自分の役割を果たしながら,自分らしい生き方を実現していくためのキャリア発達を促進する教育活動を展開しています。そこでは,学校への適応(低学年),友達づくり・集団の結束力づくり(中学年),集団の中での役割の自覚(高学年)という内容の系統性を踏まえながら,6年間を見通し中学校へつなげていくための発達課題を意識して指導しています。そして,各教科・領域を通して,よりよい人間関係をつくる力,集団の一員としてよりよい生活づくりに参画する態度の育成を重視し,体験活動や生活を改善する話し合い活動,異年齢集団による活動の充実を図っています。
このようなキャリア教育で育てるべき能力は,「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」で構成されており(平成23年中央教育審議会答申),現代の子供たちにとっては,とりわけ「人間関係形成・社会形成能力」が大きな課題です。段原小学校においては,平成31年度に行った全国学力・学習状況調査アンケート関連項目の積極的な肯定的回答(6年生)について,「今住んでいる地域の行事に参加していますか(本校56.9%,全国37.2%)」,「人の役に立つ人間になりたいですか(本校84.5%,全国74.7%)」,「地域や社会を良くするために何をすべきか考えることがありますか(本校13.8%,全国18.9%)」という結果がでています。つまり,人と人とのつながりを大切にして,地域ぐるみの教育を推進する段原地区の風土に支えられ,子供たちの地域・社会への参加意欲や態度が,大きく育っていることが示されました。反面,どのように参画していくかという具体的な自分の在り方について,十分に理解できていないことが明らかになったといえます。子供たちが,現代社会の課題を自分の問題として捉え,それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すよう,身近なところから取り組むことができる具体的な方途を考え,行動するよう指導していく必要性があります。
将来子供たちが生きる社会は,グローバル化・情報化が進み,変化の激しい先行き不透明な社会といわれています。この社会環境の中で,子供たちが希望をもって,自立的に自分の未来を切り拓くために,この「人間関係形成・社会形成能力」は,社会とのかかわりの中で生活し仕事をしていく上での基礎的で汎用的な能力となります。多様な他者の考えや立場を理解し,相手の意見を聴いて自分の考えを正確に伝えることができるとともに,自分の置かれている状況を受け止め,役割を果たしつつ他者と協力・協働して地域や社会に参画する「人間関係形成・社会形成能力」の育成は,今後ますます大切になることが予測されます。学校においては,地域に貢献する体験活動や異年齢集団による活動を一層推進していきたいと考えます。家庭においても,地域の行事等に進んで参加するよう働きかけたり,親子で一緒に参加したりして,家庭・学校外での年齢や立場の違う人とのかかわりや交流を積極的に促進していただきたいと思います。

「自他の命を大切にする子供の育成」に向けて

 本校は,本年度広島市教育委員会から生徒指導研究推進校の指定を受け,いじめの未然防止と早期発見及び適切な対応の実践研究を進めています。特に「命の大切さ」に焦点を当て,「SOSの出し方」「心の回復力(レジリエンス)」に関する教育活動の促進を通して,「自他の命を大切にする子供の育成」を目指しています。
この取組の背景には,平成30年度3月末に文部科学省から,「いじめ防止の推進に関する調査結果に基づく勧告を踏まえた対応について」が全国の学校に通知され,いじめ防止対策を一層推進する旨が伝えられたことがあります。また,広島市の中学校生徒が平成29年7月,自ら命を絶ったとみられる事案では,学校が被害生徒へのいじめを正確に認知できなかったことが,広島市いじめ防止対策推進審議会による調査で明らかになったとの答申が大きく影響しています。この広島市いじめ防止対策推進審議会答申によって,真に実効性のあるいじめ防止の取組が提言されました。
いじめについては,平成25年度「いじめ防止対策推進法」の施行によって,「他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為」により「対象児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」と定義が改められました。つまり,子供が自分の心身を傷つけられたと自覚したならばそれはいじめであり,普通はこの程度なら平気であるという見方・考え方は成り立ちません。学校におけるいじめ実態把握も,「発生件数」から「認知件数」となりました。本校におけるいじめ認知件数は,昨年度53件(すべて解決済み)であり,子供が心身の苦痛を感じた案件については,いじめではないか,いじめかもしれないと考え,決して見逃すことがないよう取り組んでいます。このような状況を深く受け止め,いじめの未然防止及び早期発見・早期対応に努め,更なる指導の徹底を図っていきたいと考えます。
 そこで,いじめはどの子供にも,どの学校でも起こり得るものであることを十分に認識したうえで,次の点に重点を置いて一層取り組んで参りますので,今後とも御支援と御協力のほどお願いいたします。また,家庭において子供が発するどんな小さなサインでも,御遠慮なく担任・学校までお知らせください。

1 教職員が子供の思いに寄り添い,柔軟かつ効果的に対応する日常的なかかわりを通して,子供が自分の悩み事や周りで気になることがあれば,先生に相談してみようと思うような信頼関係を一層築いていく。一人一人の児童が自分はまわりから大切にされていると実感することにより,段原小学校が「いじめは重大な人権侵害であり,いじめを絶対に許さない学校」であることへの安心感をもつようにする。
2 いじめを未然に防止するために,一人一人の子供が,自らの存在感を実感でき,安心し快適に過ごすことのできる支持的な風土の醸成された学級・学校づくりを促進する。きめ細やかな観察,定期・随時のアンケートや教育相談等によって,子供の実態を的確に把握するとともに,道徳や学級活動,本校独自の「段原小なかよし宣言」をもとにした児童会による主体的な取組によって,子供同士の良好な人間関係を育てる。
3 いじめの早期発見及び適切な対応のために,日ごろの観察の中で子供の小さなサインに気付くようにする,また定期的なアンケートや教育相談により,子供のSOSを積極的に認知できるようにする。認知したいじめの対応に当たっては,疑いの段階も含め学校いじめ防止委員会を開催し,必要に応じて教育委員会や心理・福祉分野等の様々な関係機関と連携しながら,組織的に事実確認や対応方針を検討する。
4 教職員間のいじめに関する情報共有の徹底,学校いじめ防止委員会を中心とした対応,定期・随時の教育相談の実施,様々な分野の専門家との連携,校内研修の実施,地域・保護者との連携等,組織的・協働的な学校体制づくりを推進する。いじめを積極的に認知し,いじめを見逃さないようにするために,「教育相談・支援主任」を校内に位置付ける。
5 本校の本年度教育活動の重点である「学習の主体性」「コミュニケーション能力」「自他の命の尊重」「適応力・回復力(レジリエンス)」の育成を関連付ける要件として,学習や生活の指導において「自己決定の場を大切にする」「肯定的な評価を行う」「共感的な人間関係を構築する」に焦点を当てた取組を推進する。

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広島市立段原小学校
住所:広島県広島市南区的場町二丁目4-19
TEL:082-261-4245