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最新更新日:2025/07/22 |
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緊張感![]() ![]() 空気の澄んだ気もちのよい季節になりました。雲もない青い空を見ていると地上での出来事が小さなことのように感じてしまいます。 しかし,今夏も想定外の水害や風害,痛ましい火災や交通事故など,心を引き千切られそうな多くの出来事は決して小さなことでもなければ,心から消え去るものでもありません。この島も昨年の土砂災害で大きな被害があったばかり。あちこちにある傷跡は,簡単には癒えません。 昨日,地震・津波の避難訓練を行いました。広島市で唯一,瀬戸内海の小島にある似島小学校・似島中学校と本校は津波の心配が大きな学校です。広島市のハザードマップでは液状化の危険地域にも挙げられています。考え得る様々なケースに応じて,限られた条件の中で最善の対応を探りながら訓練を行っています。 避難訓練のとき常に意識しているのは,ひとりの人間として個人として可能な災害対応とは何か,ということです。子どもであれ大人であれ,自分の意志で活動することのできる者に必要なのは「緊張感」だと考えています。 社会的な生活を営むことが最も大きな特性である人間は,自分のテリトリー,つまり家庭を一歩出た瞬間から大なり小なり緊張感をもって過ごしています(家庭には家庭の緊張感がありますが,家庭外のそれとは大きく異なるのが一般的でしょう)。それが公共性であり,様々な道徳性,規範意識などと呼ばれているものでしょう。学校は人間が幼い時期から社会性の中で緊張感とその持続を学ぶことができる機関であり,集中力とか忍耐力という言葉で評価されています。 避難訓練というのは災害に対応する際の緊張感を意識し,高め,持続するスキルを高める場だと考えています。「おはしも(おさない,はしらない,しゃべらない,もどらない)」で表される心構え,東北で言い伝えられる「津波でんでんこ(津波のときは互いを信じ,それぞればらばらで構わないから自分の身を守る,逃げる,みんな逃げていると信じる)」など,様々な教訓があります。全ての指導は緊張感を高め,例え想定外のことが起きても指示を聞いたり,冷静に判断したりすることができるためになければならない。本校に赴任して強くそう考えるようになりました。 避難訓練の振り返りの中で,子どもたちには,「緊張感」を身に付け,持続する力が人として生きていく上でとても大切なのだということ,日頃の授業態度,教室移動,式や行事などへの取組など,学校生活でのいろいろな場面で緊張感をもって過ごす練習ができることを話しました。 知るということ![]() ![]() それにしても立派な巣です。バスケットボールより大きいくらい。 キイロスズメバチにも彼らの生活があります。特にハチは非常に完成された機能的な社会を形成しています。役割分担が明確で,その役割だけを果たすために生きている。厳しい社会でもあります。彼らにどれくらいの意思・思いがあるのかわかりませんが,きっとそれぞれの個体にドラマがあるのだろうなと想像します。 しかし,私たちが彼らを意識するのは目の前に現れたときのみ。そして危険であるという一言でやたら殺虫剤を撒いたり速やかな駆除を要請したり。目の前から消し去ることにだけ懸命になり,知恵を働かせます。したがって,私たちがキイロスズメバチについての知識として得るものは,その危険性,効果的な撃退法・駆除法など,自分の敵という観点からのみです。これでは十分に彼らのことを知り得たとは言いがたい。 キイロスズメバチに限らず,世の中に存在するすべての事物・事象には様々な顔があり,背景があります。芝居がかった言い方をすれば,それぞれのドラマがある。キイロスズメバチが人間にとって危険な生き物であるというのも真実ですし,秩序の整った機能的な社会を形成した合理的な生き物であることも真実でしょう。家族同士の愛情のようなものすら存在するかもしれません。身体の機能的な面から見ると,昆虫界の頂点に近い美しいものだという見方もあるでしょう。 子どもたちの教育に携わる立場にある私たちは,常に多角的・多面的なものの見方・とらえ方ができるように意識していなければならないと考えました。 小中合同校内授業研究![]() ![]() ![]() ![]() 授業者が「社会科の教材研究が楽しかった。」というほど熱心に準備に取り組み,子どもたちもそれに一生懸命応えました。課題はありますが,「やってよかった。」と思える実践になりました。 久保先生のご指導・ご助言の中で,「個への支援が全体の力につながるように(全体へ生かされる個への支援)」「全体への支援が個の力に還るように(個へ届く全体指導)」という言葉が心に残りました。子どもたちのひらめき,気づき,呟き,発言を如何に価値付けするか。全体を引き上げる評価のために,どれだけ準備をし,どれを選び準備して,どれを捨てるのか。改めて教材研究の大切さ,評価につながる見とりの重さに気づきました。 同時に,久保先生ご自身の温かい言葉や振る舞いから,私たち教職員への「合理的な支援」を感じました。 久保先生ありがとうございました。 教職員みんな一緒に,階段をひとつ上りました。 準備![]() ![]() ![]() ![]() 新年度までまだ5か月ほどあります。秋の深まりもまだ中途で,昼間はシャツ一枚でも汗ばむことがあるこの時期に,業務員は来春を迎える花壇のイメージをしています。念入りに耕され,ふわふわになった土に植えられたチューリップの球根は,冬の寒さをやり過ごしながら芽生えに備え,水温むころに顔を出し,4月には新入生を色とりどりに迎えてくれるに違いありません。 そのための準備。 見通しをもった取組というのは,このように具体的にイメージをもつことができることから始まるのだ,と改めて気づかされます。 |
広島市立似島学園小・中学校
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