最新更新日:2024/09/20 | |
本日:2
昨日:29 総数:72585 |
緊張感空気の澄んだ気もちのよい季節になりました。雲もない青い空を見ていると地上での出来事が小さなことのように感じてしまいます。 しかし,今夏も想定外の水害や風害,痛ましい火災や交通事故など,心を引き千切られそうな多くの出来事は決して小さなことでもなければ,心から消え去るものでもありません。この島も昨年の土砂災害で大きな被害があったばかり。あちこちにある傷跡は,簡単には癒えません。 昨日,地震・津波の避難訓練を行いました。広島市で唯一,瀬戸内海の小島にある似島小学校・似島中学校と本校は津波の心配が大きな学校です。広島市のハザードマップでは液状化の危険地域にも挙げられています。考え得る様々なケースに応じて,限られた条件の中で最善の対応を探りながら訓練を行っています。 避難訓練のとき常に意識しているのは,ひとりの人間として個人として可能な災害対応とは何か,ということです。子どもであれ大人であれ,自分の意志で活動することのできる者に必要なのは「緊張感」だと考えています。 社会的な生活を営むことが最も大きな特性である人間は,自分のテリトリー,つまり家庭を一歩出た瞬間から大なり小なり緊張感をもって過ごしています(家庭には家庭の緊張感がありますが,家庭外のそれとは大きく異なるのが一般的でしょう)。それが公共性であり,様々な道徳性,規範意識などと呼ばれているものでしょう。学校は人間が幼い時期から社会性の中で緊張感とその持続を学ぶことができる機関であり,集中力とか忍耐力という言葉で評価されています。 避難訓練というのは災害に対応する際の緊張感を意識し,高め,持続するスキルを高める場だと考えています。「おはしも(おさない,はしらない,しゃべらない,もどらない)」で表される心構え,東北で言い伝えられる「津波でんでんこ(津波のときは互いを信じ,それぞればらばらで構わないから自分の身を守る,逃げる,みんな逃げていると信じる)」など,様々な教訓があります。全ての指導は緊張感を高め,例え想定外のことが起きても指示を聞いたり,冷静に判断したりすることができるためになければならない。本校に赴任して強くそう考えるようになりました。 避難訓練の振り返りの中で,子どもたちには,「緊張感」を身に付け,持続する力が人として生きていく上でとても大切なのだということ,日頃の授業態度,教室移動,式や行事などへの取組など,学校生活でのいろいろな場面で緊張感をもって過ごす練習ができることを話しました。 知るということそれにしても立派な巣です。バスケットボールより大きいくらい。 キイロスズメバチにも彼らの生活があります。特にハチは非常に完成された機能的な社会を形成しています。役割分担が明確で,その役割だけを果たすために生きている。厳しい社会でもあります。彼らにどれくらいの意思・思いがあるのかわかりませんが,きっとそれぞれの個体にドラマがあるのだろうなと想像します。 しかし,私たちが彼らを意識するのは目の前に現れたときのみ。そして危険であるという一言でやたら殺虫剤を撒いたり速やかな駆除を要請したり。目の前から消し去ることにだけ懸命になり,知恵を働かせます。したがって,私たちがキイロスズメバチについての知識として得るものは,その危険性,効果的な撃退法・駆除法など,自分の敵という観点からのみです。これでは十分に彼らのことを知り得たとは言いがたい。 キイロスズメバチに限らず,世の中に存在するすべての事物・事象には様々な顔があり,背景があります。芝居がかった言い方をすれば,それぞれのドラマがある。キイロスズメバチが人間にとって危険な生き物であるというのも真実ですし,秩序の整った機能的な社会を形成した合理的な生き物であることも真実でしょう。家族同士の愛情のようなものすら存在するかもしれません。身体の機能的な面から見ると,昆虫界の頂点に近い美しいものだという見方もあるでしょう。 子どもたちの教育に携わる立場にある私たちは,常に多角的・多面的なものの見方・とらえ方ができるように意識していなければならないと考えました。 小中合同校内授業研究授業者が「社会科の教材研究が楽しかった。」というほど熱心に準備に取り組み,子どもたちもそれに一生懸命応えました。課題はありますが,「やってよかった。」と思える実践になりました。 久保先生のご指導・ご助言の中で,「個への支援が全体の力につながるように(全体へ生かされる個への支援)」「全体への支援が個の力に還るように(個へ届く全体指導)」という言葉が心に残りました。子どもたちのひらめき,気づき,呟き,発言を如何に価値付けするか。全体を引き上げる評価のために,どれだけ準備をし,どれを選び準備して,どれを捨てるのか。改めて教材研究の大切さ,評価につながる見とりの重さに気づきました。 同時に,久保先生ご自身の温かい言葉や振る舞いから,私たち教職員への「合理的な支援」を感じました。 久保先生ありがとうございました。 教職員みんな一緒に,階段をひとつ上りました。 準備新年度までまだ5か月ほどあります。秋の深まりもまだ中途で,昼間はシャツ一枚でも汗ばむことがあるこの時期に,業務員は来春を迎える花壇のイメージをしています。念入りに耕され,ふわふわになった土に植えられたチューリップの球根は,冬の寒さをやり過ごしながら芽生えに備え,水温むころに顔を出し,4月には新入生を色とりどりに迎えてくれるに違いありません。 そのための準備。 見通しをもった取組というのは,このように具体的にイメージをもつことができることから始まるのだ,と改めて気づかされます。 続・運動会4力が入りました。 熱戦でしたが白の勝ち。 今年の優勝は白組でした。 続・運動会3日に日に上達する姿が素敵でした。 「こころをひとつに」全力で踊りきりました。 続・運動会2教職員も全力です。 続・運動会1観客は少しだけでしたが,力いっぱい走り,投げ,引っ張り,声を出してへとへとになるほど頑張りました。 本校は全員がリレーを走ります。 選手リレーもあります。 今年は接戦のいい勝負でした。 雨の中の運動会先日,平成31年度秋季大運動会を行いました。 今年度は天候との闘いでした。週間予報があまり芳しいものではなく,運動会前日からの雨に開催が危ぶまれました。雨は上がるという当日の予報を信じ,早朝よりグラウンドやテントに溜まった水の除去,土入れ,整地やラインの補修など,高等養護部の生徒や職員の皆さんにも助力をいただきフル回転で準備しました。やがて遠くで雷が聞こえ始めましたが,一縷の望みにすがって体育館で表現種目のみ行うことで天候回復を待ち,その後グラウンドに出て競技種目を実施する計画に切り替えました。 無情にも雨音は次第に大きく,グラウンドは完全に水浸しになり,競技種目の延期を余儀なくされました。 どんなに一生懸命努力し準備しても,自分の力の及ばないことが原因して,思ったような成果が出せなかったり,取組を諦めざるを得なかったりすることはよくあります。 日本中を盛り上げているラグビーワールドカップでもそういう事例がありました。日本のラグビーのシンボリックタウンとして,この大会を何年も心待ちにし,東日本大震災の復興の証としても,その発信も担って,釜石市は一丸となって招致に取り組み,準備を続けていました。 しかし,大きな被害をもたらした台風15号のため,安全面からも予定されていた試合は中止になってしまいました。地元の方々の落胆は大きく,勿論何よりも予選突破を目指して闘っていたチームの選手たちは絶望し,肩を落としたでしょう。 翌日,地元の方々が泥や災害ごみの片付けに追われているところへ,その試合が中止になったチームの選手たちが援助にやってきたことはテレビや新聞に大きく取り上げられましたので,皆さんもよくご存じだと思います。彼らラガーマンの本当の強さ,気高さを見たように思いました。 普段の暮らしの中で思うとおりになることは,寧ろほとんどありません。そのときどう考え,どう振る舞うのか,人としての有様,生きる力,集団としての質がそこに表れる。 開会式で子どもたちにそのような話をして,体育館での運動会表現種目に力いっぱい取り組みました。 組体操の一歩目その第一歩が「ラジオ体操」。 背筋を伸ばし,手足の指先まで意識して,正しい姿勢で体幹を整える。その基礎・基本として練習を進めています。日頃はセルフコントロールが難しい子どもたちも,10月19日のゴール目指して適度な緊張感をもった練習に取り組んでいます。 運動会に向けて
運動会の取り組みが始まりました。本校の運動会は似島学園との共催です。
高等養護部の皆さんは作業訓練の一環として,日頃に増してグラウンドを中心に校内外の環境整備に取り組んでくださっています。たくさんお出でになるお客様のことも考え,草刈りや木の剪定,大きな排水溝の清掃まで,幅広く活動中です。 写真の作業は,グラウンドに入れる砂をふるいにかけ,小さな石を除去し,細かい砂粒にしているところです。男子は草抜きにも取り組んでいます。 放課後何日かかけて児童・生徒全員で,自身の活動する足下から丹念に固めていく。本校の半ば伝統的な作業工程です。昨年度から一部の競技種目を除いて,靴を履いて種目に臨むようになりましたが,「運動会を創る」という視点から,今年度も高等養護部の皆さんと一緒に心血を注いだ準備に取り組んでいます。 給食の机以前紹介した給食机の2年生用を設置することができました。低学年は揃って姿勢良く食べています。机の高さを変えただけなのですが,足もきちんと床に付いて,多くの子は背筋もすうっと伸びました。器をもつ手もよく上がるようになりました。 環境を整えることの効果は大きいものです。一度に全部揃えることはできないのですが,中学年にも導入できれば,と考えています。 生きものの色日頃,掲示物をつくったり書作品をつくったりするときに,美しい色,気もちのよい色を心がけているのですが,自然の色には絶対に敵わないと改めて悟りました。 それにしてもどうしてこうも全身から美しい色が出せるのでしょう。どういう経緯で人を立ち止まらせる魅力ある色になれるのでしょう。これから成虫となって美しく羽ばたく準備の色なのか,彼の生命力そのものの色なのか。自然の色というものはそういうものなのかもしれません。ふっと,東京書籍6年の教材だった「ばらの谷」(高山貴久子・著)を思い出しました。 無心に努力して,懸命に生きて,誰から見ても美しく輝いて見えるような内面を磨きたい。そういう気もちにさせてくれた朝の芋虫でした。 レジリエンスを高める私たち教職員は夏季休業中に様々な形で校務や研修に取り組み,9月からの教育活動に備えてきました。 8月末には,毎年複数回講話をしていただいている 特別支援教育士・スーパーバイザー 渡部 徹 先生に,今回も貴重なご講話と,ASSESSによる本校児童・生徒の具体的な分析や指導上のアドバイスをいただきました。 渡部先生は,長年愛媛県の小学校教育にご尽力なさり,校長退職後も特別支援教育のエキスパートとして,愛媛県内だけでなく広く県外の学校や団体にまで指導・助言を請われ,忙しく飛び回っていらっしゃいます。 その中でも寸暇を惜しんで,常に教育の最新動向,特別支援教育に関する情報を探り,精力的に研究されています。講話だけでも年2回はお話をうかがう機会がありますが,先生のお蔭でそのたびに新鮮な学びと出会うことができます。 今回は,学習指導要領の改訂に伴って学校教育が目指すべきこと,子どもの言葉の獲得を視点に,家庭教育・学校教育が子どもの言語能力の発達にどのように寄与するか,あるいはすべきかについて教えていただきました。また,レジリエンス(精神的回復力,立ち直る力,弾力性)の重要性と,その力を伸ばすための指導・支援のあり方について丁寧に解説してくださいました。 「他人とうまく折り合う」ことと「自分とうまく折り合う」ことを連関させる。現実と向き合い,失敗したときや思い通りにならなかったときに感情をコントロールして,ストレスに対処していく。そういったスキルを育成する視点を生徒指導の取組の中に組み込んでいかなければならないと考えました。 渡部先生,次回も楽しみにしています。よろしくお願いいたします。 盆法要校内を清掃して法要のための環境を調え,桟橋から流すための灯籠づくりに取り組みました。 「いのちの塔」の前でお経をあげ,手作りの灯籠に灯を入れてグラウンドを回りました。 74年前,この似島で心ならず亡くなった被爆者の方々,似島学園に在籍・勤務し,心を寄せ,先立った方々の御霊を念い,平和な社会の創造を誓いました。 楽しく力のつく授業を求めて御自身の実践をもとにしたわかりやすい講義,ロールプレイを活用した楽しい事例提示,明日からすぐに実践できそうな指導・支援の手立て……。できればここに詳しく,事細かく紹介したいくらいです。本校教職員の質問を含めて3時間を全く感じさせない,充実した研修になりました。 何より感じたことは,宮野先生がこれまでの教員としての経験を通して,他の誰よりも,子どもたちと真正面から向き合い,苦しみ,悩み,何とかして目の前の子どもたちに力をつけたい,学ぶことの楽しさを共に味わいたいと,真剣に考え続けていらっしゃったこと。そして今もそれに熱中している,その熱意です。 先生は,授業UDの講演をあちこちから要請され,夏季休業中も忙しく飛び回っていらっしゃるそうですが,決して今の御自身の授業に満足されてはいません。そもそも,授業UDの実践に取り組まれたのも,目の前の子どもたちのため。どんなに優れた理論や実践も,全て子どもたちのためです。 私たちにまだ何が足らないのか,明確に示していただいたと思います。 宮野大輔先生,ありがとうございました。 「全うする」ということ作業音を我慢するといった小さな忍耐をしながら室内で仕事をしている私たちには想像もつかないのですが,これだけの状況でも工事関係者のみなさんは「できない」「無理」とは絶対仰いません。私たちに工事の説明をされるときも,「ご迷惑をおかけするのですが」という枕詞を何度聞くことか。工期には相当な無理があり,いかんせん古い校舎や一部民間から譲り受けた建物であることから,突発的な,あるいは想定外の難題が次々と勃発する中で,自分たちにできること,何とか解決する方法を模索し,企画・提案し,実行する。勿論,学校施設を使って仕事している私たちにとっては,びっくりすることや不都合もあるのですが,日々請け負った仕事を完遂するために懸命に作業に励んでいる工事関係者のみなさんには本当に頭が下がる思いです。 職務を全うする。 責任をとる。 短い言葉ですが,その本当の意味や具体的な取組,とるべき姿勢・態度について教えていただく毎日です。 幼小交流会小学生の先導で5つのグループに分かれ,いろいろなゲームなどを楽しみました。私も楽しそうな絵本を選んで,読み聞かせを行いました。天候とにらめっこだったこともあり,急な予定の変更になったのですが,ゲームの説明や読み聞かせを聞く態度がとても落ち着いていて,穏やかな楽しい時間を過ごすことかできました。 来年は是非,プールで身体をたくさん動かしましょう。 水泳記録会表彰式最後の全校集会で先日行われた水泳記録会の表彰を行いました。標準記録を突破した種目に対して表彰を行うことになっています。表彰者はのべ40人。重複はあるにせよ,実にたくさんの児童・生徒が力を出し切りました。一人ひとりに表彰状を手渡し,声をかけました。 表彰式で大切にされるべきなのは,当然表彰される子ども一人ひとりだと思います。それだけの努力・取組を評価され,その場に立つことができるのですから。しかし,同時に友だちの表彰を見守る大勢の子どもにとっても価値のあるものにしなければなりません。たた式を見つめ,ぼうっと手を叩いているだけでは表彰式の価値は半減します。 広島東洋カープは今年度予想外の不振に喘いでいますが,それでも連日大勢のファンが一所懸命球場に詰めかけ,応援を続けています。昨年まで3連覇を成し遂げた強さより,彼等のプレー,野球への取組,球団としての魅力が多くのファンに感動を与え,支持を獲得しているのだと考えます。 一番大きな魅力とは,チームの誰かがヒットを打ち,ホームランを打ち,盗塁し,ピンチでは三振を取って活躍することを,他の全員が大喜びする姿なのではないでしょうか。黒田選手・新井選手が定着させ,脈々と受け継がれているカープの野球。仲間の活躍を喜び,支え合うことで,弱い自分に向き合えたり,苦しい努力を積み重ねたりして,望外の力を発揮することが可能になるのだと思います。私たちが惹かれるカープの強さであり魅力です。 表彰される友だちの活躍,頑張りを喜び,賞賛の拍手を送ることができる雰囲気こそ,本当の仲間であり最高のチームである証であると言えます。そういう集団であってこそ,ひとりで学ぶよりも大きな成長を互いに望むことができます。 表彰されない子どもたちが最高の笑顔で拍手する。そういう表彰式になるよう,これからも集団づくりを進めていきたいと思います。 折り鶴昭和20年,広島に原子爆弾が投下され,被爆した多くの市民が似島に運ばれたことはよく知られていますが,その被爆者のために献身的に救護・看護を尽くした「暁部隊」のことはあまり知られていません。 彼等は主に輸送・運搬などを主任務とする陸軍「海上船舶部隊」に所属していました。第二次大戦末期にはいわゆる「海上特攻部隊」として少年兵まで動員し,厳しい訓練がされていましたが,その性質上,存在は厳重に秘匿されていました。詳しくは,「似島少年自然の家ホームページ」をご覧ください。 被爆者の救護・看護に尽力した「暁部隊」の献身はその後も長く続けられ,先年はそのご子息が遠方から慰霊にお出でになったそうです。 本校の子どもたちも似島に住む者として,慰霊の輪の一部になることができるように学習活動を続けていきたいと思います。 |
広島市立似島学園小・中学校
住所:広島県広島市南区似島町長谷1487 TEL:082-259-2311 |