最新更新日:2024/10/31 | |
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努力の価値言わずと知れたNHK制作のヒット番組です。見ていらっしゃる方は多いと思います。最初の放送は平成元年の6回シリーズで,VHSビデオテープに録画して何度も見たことを思い出します。シリーズ化され,先日新シリーズが放映されました。「遺伝子」についての最新科学について,鮮やかな顕微鏡画像やCG画像を駆使し,山中伸弥教授が大変分かりやすく解説されました。 これまで,DNAのうち,いわゆる「遺伝子」と呼ばれる2%以外の部分は「ごみ」だと考えられていたのですが,実は「遺伝子」の能力・情報を発動させるスイッチが,その「ごみ」と考えられていた98%の中にある,言わば「宝の山」だった,ということに感慨を深くしました。 定説や常識を疑い,98%の「ごみ」の中から新たな発見を導き出した科学者には敬服するばかりです。加えて,私たちが感覚的・経験的に子どもたちに指導している「努力」の大切さが,科学的に裏付けられたのだと思いました。 私たち人類が両親から受け継いだ「遺伝子」には,必ず70カ所程度の突然変異が起きるそうです。つまり,誰にでも両親や祖先から受け継いだわけではない,思いがけない資質や能力,特徴が備わっているわけです。勿論,両親や祖先から引き継いだ力もあります。いずれの力もそれが発動するかどうかは,98%の「ごみ」の中にある,DNAの「起動スイッチ」をONにすることができるかどうかにかかっているというのです。 つまり,「起動スイッチ」をONにするための刺激が「努力」ということなのです。肉体的・精神的鍛錬や訓練,生活リズム,食事。どういう「努力」の要素がどの「起動スイッチ」に関係しているのか,まだ一部しか分かっていないそうですが,私たちが感覚的・経験的に取り組んでいる内容の中にも,必ずその答えはあるのでしょう。 イチロー選手(私の中では現役)の「天才」は,自身の感覚や経験の中から,自分の起動スイッチの入れ方をつかんでいて,ONにするための「努力」を妥協することなく継続できることだと考えます。 「努力」には価値がある。そして,経験的・観念的に言われていたことを裏付ける科学的な根拠が見つかった。とても嬉しい瞬間でした。 科学も努力も万能ではないかもしれません。しかし大変素敵なものです。 すいどう教室様々な実験用具をご持参くださり,子どもたちが「わあっ」と目を輝かせて覗き込むような実験や講話に,興味津々のひとときがあっという間に過ぎていきました。 市民が日々安全に,安心して飲むことのできる水道水をつくるための水道局の皆さんの大変な努力と真摯な仕事ぶりがよくわかるお話でした。 水道をひねると出てくる水も,その一滴一滴が正に「磨きあげられた」と言ってよい製品なのだと思いました。また,その一滴一滴を守ること,水を磨くことは,私たちもできる事業なのだということもよく理解できました。 水道水は,地域社会全員でつくるものなのですね。 手をかけるトマトなどは乾燥した高地が原産の植物ですので,そもそもあまり水や肥料などやりすぎないように育てる方がよい,トマト本来の味や色が引き出される,という話を聞いたことがあります。 多種多様な課題がある教育の場において,子どもたち一人ひとりに寄り添った合理的配慮はとても大切なもので,私たちは日々どのように指導・支援を行うのか,研鑽し工夫し続けなければなりません。 一方,それが子どもたち本来の生きる力,伸びるはずの力を損なうような過度の助力にならないように,充分留意しなければなりません。彼等の実態と付けたい力の連関を見極め,適切な指導・支援が行われるようにしていきたいものです。 見えないところ校長室から延びるたくさんの管。いずれも水道管で,どこがどのようにつながっているのか,これから探るそうです。管理棟は築50年の建物ですが,かなり深くまで基礎が施してあります。 それもこれも,ふだん地面の上からでは見えないもの。今回の耐震工事による掘削で初めて知ることができました。どのような物事でも人の思いでも,目に見えるものが全てだと考えると大きな誤解や判断ミスを生むことになります。心しておかなければなりません。 建築当時は似島学園理事長室・事務室だった管理棟。掘削作業と学園の年表を眺めながら,長い歴史を感じるひとときでした。 大きく育て!こんもりとした畦(うね)から,みずみずしい野菜が育つのをイメージすると,今からとても楽しみです。子どもたちの作ったそれぞれの看板にも,野菜の生育を「願う気もち」が込められています。 そう「願う気もち」をどのように形にするか,「実現」するか。施肥,施水,除草,除虫,摘果など,子どもたちが学ぶべきことはたくさんあります。 「願う気もち」とその「実現」。 両者の関係を明らかにし,整理し順序立てて,「実現」への筋道をわかりやすく共有することが,子どもたちの学びになります。 そう言えば,昨年度はカラスにだいぶ横取りされましたから,今年度は負けないように対策を考えないといけません。子どもたちと話し合ってみましょう。 もうひと頑張り小学校低学年の体育科の学習の時間。登り棒に取り組んでいる子が登る姿を見てほしい,と言うので,下から応援しました。 「黄色の線まで!」 と張り切って頑張るのですが,あと一歩のところがなかなか届きません。 小さな手が真っ赤になるまでしがみついて,何度もチャレンジしていると, 「活動をやめて集合しましょう。」 という指示が出てしまいました。 棒にしがみついていたその子は,歯を食いしばり,手が白くなるほど棒を握りしめ,それこそ力をふりしぼるようにして,とうとう黄色の線に手をかけることができました。 安心したように脱力してスルスルと棒を下りると,私に向かって, 「見とった?見とった?」 と言いながら,担任のところに走って行きました。達成感に溢れた素敵な笑顔でした。 子どもの中には黄色い線まで登る力が,きっと備わっていたのだと思います。 「黄色い線まで登る姿を見てもらえる,これが最後のチャンスなんだ。」 と思った瞬間,手の痛さ,張りつめた筋肉の辛さを超えて,「もうひと頑張り」する力が発動されたのでしょう。そのきっかけが私なら,とても光栄で嬉しいことです。 私たちは案外身近なところで,限界を超えた「もうひと頑張り」を発動させたり,目にしたりしていると思います。そして,そのきっかけも「ありふれた事柄」です。 子どもの「もうひと頑張り」を引き出し,彼等に達成感を味わう経験をさせるために,評価のあり方も含めてどのような支援と指導を工夫するか。きっかけになる「ありふれた事柄」と「もうひと頑張り」の関係をつかむアンテナが大切だと思いました。 入学式の花のその後入学式という一つの行事が終わって用済みにすれば,どんなに美しい花もそれっきりですが,私たち日本で暮らす人々には「もったいない」「他に使えんか」と考えてしまう文化があります。命の短い切り花ですら,様々な場で生きること,生かすことが可能です。 学校で取り組む教育活動も同じことです。イベント的な,打ち上げ花火型の取り組みにしてしまってはもったいない。あらゆる教育活動の中での縦軸(時間軸)・横軸(内容軸)のつながりをよくよく精査して,生かしきる必要があります。 入学式・始業式から何を学び,次はどこへ向かうのか。そこでの学びは学校生活のどのような部分とつながっているのか。ただ,「楽しかった。」「一生懸命やった。」だけで終わらせることのないようにする意識が私たち教職員に必要だ,と春の陽射しに鮮やかに輝く花を見ながら考えました。 学校のきまりその場で子どもたちに尋ねました。なぜ規則が必要なのでしょう。規則は本当に必要なのですか。 そもそも規則というのは,社会的常識や観念,感覚に個人差があり,認識のずれがあることで必要になるものです。しかし,これらの個人差は自他の違いを認め合い,受け入れ,意思を交流して,お互いが譲り合って共生する,理性的な,人間として成熟した姿勢や態度があれば問題は起きないはずです。ところが,民族的,地域的,言語的,宗教的,政治的,年齢的,性的,家庭的立場などの違いからそれが理想的な共生が難しい場合があります。そこで,その時代や地域等の一般的な常識を基に,あるいは妥協点を示したものが規則であると言えます。つまり,規則が必要な社会というのは,端的に言ってしまえば未成熟な社会ということになります。時に,考えられないような非常識なことをする人間がいるから,ヘンテコな規則をつくる必要が生まれます。 〇博物館や映画館等,公共の施設に,ライオンやトラ等の猛獣を連れて入ってはならない。 〇キリンを電柱につないではならない。 〇魚を泥酔させてはならない。 〇核爆弾を爆発させたら罰金500ドル。 〇目隠しをして運転をしてはならない。 どれも外国に現存する法律です。なぜこんな法律があるのか。簡単です。そういう行為を実行する人間がいるからです。常識で考えられないことをするから,常識で考えられないような法律ができる。規則ができるのはそういうことです。社会全体が理性的な判断のできる人間ばかりなら,ほとんどの規則は必要なくなるのでしょう。 子どもたちにきまりや目標をつくらせると,似たような感覚のものをつくります。 〇廊下を走らないようにしましょう。 〇授業中におしゃべりをしないようにしましょう。 〇忘れ物をしないようにしましょう。 いわゆる,禁止型のきまりや目標です。「してはならない」ことを並べるというのは,未分化な社会や集団でよく見られるものです。 最初の質問に戻ります。規則はなぜ必要なのか。 少なくとも私たちの住んでいる地域であれば,価値観や常識,思考・判断・感覚,出自や生活等の違いがある大勢の人間が,ひとつの社会の中でお互いを尊重しつつ,人間らしく生活するための約束事として守るべきもの,といったところが一般的な回答でしょう。しかし,これでは「学校のきまり」の必要性や意義を説明するには不十分です。 「学校のきまり」は何のためにあるのかを十分に説明するために,先程のヘンテコ法律や禁止型のきまりがヒントになります。逆の発想をすればよいのです。「学校のきまり」には,禁止したいこと,制御したいことではなく,この学校は何を目指しているのか,どんな子ども(人間)を育てようとしているのか,が表れているはずなのです。「学校のきまり」は,目標実現のための効果的なツールでなければならない。学校教育目標や研究目標,学年・学級目標を達成するために,「学校のきまり」が如何に必要であるかということを考えてみることが肝要なのです。学校の目標に向かって,子どもたちが落ち着いて生活すること,支え合って主体的・対話的に学習や生活に取り組むことができるようにするために,「学校のきまり」を徹底する指導を通して,子どもたちの生活環境を調えるということです。 つまり,子どもたちを取り巻く環境を調えることが,主体的に学習や生活に取り組む子どもを育てること,ひいては,彼らに思考力・判断力・表現力を育てることにつながるのだと考えます。子どもたちにとって,それは,学習道具を調えること,服装を調えること,あいさつを調えること,ではないでしょうか。これが,本校において「学校のきまり」を指導する必要性と意義だと言って間違いないと確信しています。 その延長線上には,「学校のきまり」がなくても,規則がなくても,理想的な社会を構成していくことのできる社会人を育てるのだという方向性をもちながら。写真のように,靴を美しく揃えることのできる感覚が日常的・恒常的に発揮できるのであれば,「学校のきまり」は不要になるでしょう。 それこそが日本人が世界に誇ることのできる,美を求める感性だと思っています。 平成31年度入学式・就任式・前期始業式桜が満開です。島中がお祝いの気もちを表しているようです。 本日入学式・始業式・就任式を行いました。小学校4名,中学校14名と,転任者7名の初々しい姿が輝くように見えました。 新しい仲間を迎え,いよいよ平成31年度が始まります。今年度は次の3つのキーワードを胸に教育活動に取り組んでいきたいと思います。 〇人やものを大切にする。 〇自分と相手を知り,力を合わせる。 〇「できない」ことと向き合う。 入学式の挨拶では,この3つのキーワードを柱にした話をしました。一部をご紹介します。 学校ってどんなことをするのだろう。どんなことを学ぶのだろう。楽しいことがたくさんあるといいな。殊に,小学校一年生の皆さんはドキドキワクワクしながら,今日の朝を迎えたのではないでしょうか。 学校は楽しいところです。面白いところです。いろいろなことに挑戦できます。勿論,条件はあります。たったひとつです。それは約束を守ること。学校には,みんなが楽しく自分らしく学ぶことができるための大切な約束があります。 特に大切な約束は,人やものを大切にすること,助けてもらったときには「ありがとう」,間違えたとき,失敗したときには「ごめんなさい」を言うことです。この約束を守る皆さんが,楽しくて面白い学校生活を送ることができるよう,私たちは全力で支えます。 中学校一年生の皆さんには,少し難しい課題を出します。「自分をよく知り,友達の思いを知る。」ように心がけることです。 「自分をよく知る。」とは,自分らしさを大切にすることです。私たち人間は,考え方や好きなもの,将来の夢などが皆,それぞれに違っています。一人ひとりの心にも能力にもそれぞれの色があるのです。まず,自分の色,良さをよく理解しましょう。 「友達の思いを知る。」とは,人それぞれの違う色を混ぜ合わせて新しい色をつくることです。友達を理解し,お互いの思いを大切にしあうことにより,より複雑で華やかな絵を描く,つまりより豊かに生きる力を身に付けることができます。 もう一つ。全ての児童・生徒の皆さんはこれからいろいろな壁にぶつかると思います。できないこと,どうにもならないことで悩むと思います。そんな時,その壁や困難から逃げずに向かいあってください。「できない」ことは実は素晴らしいことです。なぜ素晴らしいのか,去年この学校にいた人は知っているはずです。教えてあげてください。 新入生を含め全ての皆さんが,学校生活で多くを学び,自信をもって生きる力を身に付けることを期待しています。 さあ,明日から思いっきり学びましょう。 高等養護部入園式暖かな陽射し。 最高の日和に恵まれて,似島学園高等養護部の入園式が行われました。 新入生の皆さんは,やや緊張しながらも,呼名では元気よく返事をして笑顔で挨拶することができました。在園生からの温かい励ましの言葉も素敵でした。 似島のすべてが,彼らを祝福しているかのようでした。 入園式祝辞で述べた,彼らへの贐(はなむけ)の言葉を添えておきたいと思います。 「力を合わせる」「協力」が大切であるということは誰もが言います。でも,それはなかなか難しいことですね。誰かと一緒にいると腹が立ったり,イライラしたり,悲しくなったりすることもあります。それは,皆さんそれぞれが違う人間,違う「ひとり」である証拠です。それはとても大切なこと,尊重されるべきことです。それぞれが少しずつ違う形の人間だからこそ,少しずつ譲り合って相手に形を合わせる。それが「力を合わせる」ことです。 譲り合うためには,友だちのことをよく知りましょう。まず,友だちの話をたくさん,よく聞いてください。その次に,自分の気もちや考えを,ゆっくり丁寧に伝えるようにしましょう。 もうひとつ,「力を合わせる」ための方法を教えましょう。自分から挨拶をすることです。名前を呼ばれたら「はい」。朝は「おはようございます」。助けてもらったら「ありがとう」。挨拶をされて気もちのよくない人はありません。だから挨拶には,相手と心を通わす力,気もちを穏やかにする力,心を元気にする力が宿ります。相手の眼を見て,気もちよく挨拶をしてみましょう。いい仲間がたくさんできるはずです。 よくわからなければ,学園の先生に聞いてください。優しく教えてくださいます。勿論友だちに相談しても構いません。みんなで力を合わせれば,どんなことでも必ず解決できます。 入園された十五名の皆さんが,力を合わせて学園生活を送るよう願い,私のお祝いの言葉とさせていただきます。 明日は本校の入学式です。 耐震化工事
広島市内の小中学校においては最後になりましたが,本校もいよいよ耐震化工事が行われることになりました。早速4月1日に給食室横に工事管理室が設置され,写真のように,管理棟(職員棟)と給食室を囲う作業が行われました。作業員さんたちの威勢のいい声が,あちらこちらで響き渡っています。
しばらくは大きな作業車や工事音の中での生活になります。その中で安全に留意し,落ち着いた生活・学習を実現できるかどうか。耐震化工事の作業と子どもたちが共存できるかどうか。本校の日頃の取組が問われることになりそうです。 新年度スタート本校に赴任した教職員も揃い,慌ただしく子どもたちを迎える準備に取り組んでいます。 昨年度から紹介している花壇の花。子どもたちの願いが叶っていっぱい咲きました。これからの1年間,本校にたくさん笑顔の花が咲きますように。 |
広島市立似島学園小・中学校
住所:広島県広島市南区似島町長谷1487 TEL:082-259-2311 |