最新更新日:2025/06/19
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子どもに自己実現力を

「まだ駄目だ」

「もう駄目だ。」
「まだ駄目だ。」
 同じように駄目なんですが,ふたつの言葉には大きな違いがあります。
 前者は可能性を断ち切ってしまう言葉です。その先はありません。後者には続きがあります。少なくとも可能性に向かって進もうとする意欲や姿勢を感じます。
 これは,今季限りで引退することを決めたカープの新井貴浩選手を評した言葉です。衆知のとおり,彼はどんなに叱られても,どんなに失敗しても,常に「まだ駄目だ。」という姿勢で野球に取り組んでいます。
「不可能を可能にする。」
 誰しもが憧れるスーパーマンのような人間に,才能や能力によることなく「できるまでやり抜く姿勢」によって,誰しもがなれるかもしれない。生き方でそう示してくれた選手だと思います。きっと,「無理です。」「できません。」という言葉を使うことはほとんどないのでしょう。
 まさしく生きた教材です。子どもたちに学んでほしい,手本にしてほしい姿勢です。

蝉の声

 猛暑のせいか,今夏は蝉の声が耳に残らなかったように感じます。
 周知の通り,彼等は長い時間を地中で過ごします。成虫として自由に飛び回り命を謳歌できる時間は数日しかないと言われ,命のはかなさ,懸命に生きる姿勢などのシンボルとして取り上げられることが多いようです(実際は1ヵ月くらい生きるそうですが)。
 彼等が自由に飛び回る時間は,実は試練なのではないかと考えることがあります。蝉は特別に素早く飛べる生き物でも,硬い甲殻をもっているわけでも,武器をもっているわけでもありません。実際に何度か見たことがありますが,鳥にとっては格好の餌です。彼等にとって,空は敵だらけで非常に危なっかしい空間です。交尾して子孫を残すために,懸命に歌い,飛び回るのが彼等に与えられた「自由」なのです。
 そうした意味で,地中はある程度安全と生命の保障された空間なのではないでしょうか。勿論,土竜などはいるにせよ,鳥類ほどの危険はないでしょう。大きな温度変化も豪雨などの気象変化も受けにくく,むしろ暮らしやすい空間なのかもしれません。彼等は地中で変態を繰り返し,敵だらけの空を生き抜くための力をじっくりと身に付けていくのです。
 子どもたちにとって生き抜くための力を磨く場所は学園であり,学校です。「自分は大勢の人に守られている」という安心感を子どもたち一人ひとりが自覚できるような教育環境を創るために,研鑽を重ねたいと思います。

似島学園創立記念日

 授業再開。久しぶりに全員が似島学園小中学校に揃いました。
 同時に今日は似島学園創立記念日。原爆投下一年後,被爆孤児のために奔走した森芳麿初代園長がこの地に学園を創設して72年が経ちます。日数にして26297日。秒だと22億7206万800秒。その瞬間瞬間に,学園指導員,関係者,本校教職員,そして何より子どもたちと保護者の方々,どれだけの人のどのような思いがこめられ,注がれ,流され,切り取られて来たのでしょう。その蓄積に思いを巡らすことが,これからの進むべき道を少しでも明るくすることにつながると思います。
 記念日というのはそういうことだと考えています。

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広島市立似島学園小・中学校
住所:広島県広島市南区似島町長谷1487
TEL:082-259-2311