最新更新日:2024/06/14 | |
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第140回卒業証書授与式校舎から臨む原爆ドームは、穏やかな春の日差しに照らされて、今朝も静かに佇んでいます。その姿は、あの原広司さんの絵のように、優しく、温かく、本川小学校を見守っているかのようです。 今日このよき日、保護者の皆様にご出席いただき、75名の門出を祝う広島市立本川小学校第140回卒業証書授与式を挙行できますことを心から嬉しく思います。 保護者の皆様には、本日のお子様の様子に感慨もひとしおのことと存じます。これまで、本校にたまわりましたご理解とご協力に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。本日は、参加者や時間など制限された中での挙行となりましたが、教職員及び在校生一同、精一杯の思いを込めて準備してまいりました。 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。今、手にした卒業証書は、広島平和記念公園の「原爆の子の像」に捧げられた折り鶴を再生した用紙でつくられています。爆心地から最も近い本川小学校で学び、平和学習を重ねてきた皆さんには、その重みを実感することができることと思います。本川小学校で、皆さんは、これまでに平和の森の被爆した木や平和資料館及び本川の地域から被爆の実相を学びました。また、居森清子さん、原広司さん、尾形静子さんの思いを想像しました。そして、学んだことを今度は自分がつないでいかなければならないと考えました。どうぞ卒業証書に込められた多くの方の思いや託された願いも受け取り、つないでください。 さて、昨日、私は、皆さんに小学校生活最後の宿題を出しました。それは、家族の方から話を聞く、写真や映像を見るなど、どんな方法でもよいので、小さかった頃の自分に出会ってくることでした。小さい頃の自分に出会い、どのようなことを思いましたか。小さい頃の自分に出会うと、そこに、多くの方々の関わりがあったことに気付くはずです。 ここで本川小学校を巣立つ皆さんに、私から最後のメッセージを送りたいと思います。本川小学校での最後の平和学習です。 私は、皆さんが生まれてきたときのことを想像します。一つの命が生まれてくることは、大変なことです。皆さんの命が宿ったとき、皆さんが生まれてくることを周りの方がどれだけ待ち望んでおられたことでしょうか。皆さんが生まれたとき、どれだけ大きな喜びに包まれたことでしょうか。小さな命の誕生がご家族をはじめとする周りの方々をこの上ない幸せな気持ちにさせたはずです。 赤ちゃんだった皆さんが、初めて笑ったとき、初めて言葉を発したとき、初めて歩くことができたとき、初めて歯がはえてきたとき・・・ご家族をはじめとする皆さんは、その度に、喜びを感じられ、まだあどけない皆さんを中心に周りは笑顔に包まれたはずです。 保育園や幼稚園などで、初めて家庭を離れて集団生活をするようになったとき、初めて友達ができたとき、周りの方は、心配と同時に、皆さんの成長を実感されたはずです。そして迎えた小学校生活。入学式のとき、真新しいランドセルを背負った皆さんに、周りの人は、どれだけ大きな期待を掛けられたでしょうか。 それから6年間を過ごし,迎えた今日。今、保護者席から大きく成長した皆さんの背中を感慨深く見つめてくださっています。皆さんが生きてきた一日一日が、皆さんの人生であり、皆さんを支えた周りの方の人生です。つまり、皆さんの命は、皆さんだけのものではないのです。皆さんをかけがえのない存在として、いつも大切にしてくださった周りの方々の命でもあるのです。 本川小学校で戦争の悲惨さと平和の大切さを学んだ皆さんに、まずは、自分の命を大切にしてほしいと願います。平和について突き詰めて考えていくと、平和とは、まず、自分の命の重みを実感し大切にすることであると考えるからです。そして、どんなに苦しいこと、悲しいことに出合っても、皆さんのことを大切に、誇りに思い支えてくださっている方がいることを忘れないでください。 最高学年として過ごしたこの1年間は、感染症拡大防止のため、様々な行事を縮小したり中止したりせざるを得ませんでした。しかし、皆さんは、こうした中でも、自分のできることを見つけ出し、よりよい学校生活になるよう工夫しました。制限された生活にも関わらず、いつも、瞳をきらきら輝かせ、楽しいことを見つけ出し、明るい笑顔で過ごした皆さん。私はそんな皆さんの姿から何度勇気をもらったことか分かりません。素直で、素朴で、人懐っこくてユーモアのある皆さんのことが大好きでした。 さあ、出発です。皆さんが残した足跡は、ステージに置かれた校章旗にしっかりと刻まれ、これからも本川小学校に輝きます。本校の卒業生であることを誇りに、希望と強い意志をもち、中学校に進んでください。中学校もまた、皆さんの輝ける場所となるにちがいありません。 卒業生の皆さんに心からエールを送り、私からの式辞とさせていただきます。 令和3年3月19日 広島市立本川小学校長 岡田 由佳 校内研究会今日は,校内研究会を開き,今年度の校内研究の成果と課題を確認し,改めて国語科の授業づくりを振り返りました。講師として,広島市教育委員会学校教育部指導第一課 大下あすか指導主事をお招きしました。大下先生からは,本校の取組み内容に即した指導助言をいただきました。 本校は,次年度も平和教育と国語科教育を連動させて研究を進めていきます。 卒業をお祝いして「本川おもてなし隊」と「Shizumi Peace Project」の皆様,ありがとうございました。子どもたちは,皆様の思いをしっかりと受け止めました。 お礼今日は,本年度最後のあいさつ運動の日でした。通学路に立ち,子どもたちに声を掛けてくださいました。お陰様で,子どもたちは,安全に登校することができました。ありがとうございました。 今後とも,地域の様々な場面で,子どもたちがお世話になることと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。 育つとき5年生は,本川小学校にある被爆遺物などについて人に説明ができるように練習を重ねています。子どもたちは,これまでに様々な平和学習を重ねており,こうした被爆遺物についての知識をもっています。しかし,いざ,人に説明するとなると,これまでの漠然とした知識を明確なものにしていく必要があります。人に説明するって大変なことです。何度も繰り返して原稿を読み込んでいます。 役割を与えられ,責任を果たそうと努力している5年生を微笑ましく,また頼もしく感じています。今,まさに育つときです。 1年生は説明名人!写真は,今日の算数科の様子です。問題を読んで気付いたことや考え方を説明しているところです。 「○○君がさっき言ったように〜。」 「例えば〜。」 「どうしてかと言うと〜」 などの表現を駆使して,子どもたちが次々に自分の考えを上手に説明します。中には,以前に学習したことと比べながら,その違いを基に考え方を説明する子どももいます。 こうした姿は,一朝一夕では育ちません。1年間の学びの積み重ねです。この姿を2年生からの学習につないでいきたいと思います。 感性1年生の詩を紹介しましょう。添えてある絵もこの詩にぴったりで,味わい深いものがあります。 あのね ぼく ゆめの中でね かたつむりにさわったよ そうしたら かたつむりになっちゃった のっそり のっそり うごいていたんだよ はっぱも食べていたんだよ そんな ゆめ 三月 弥生今日からいよいよ3月です。学年のまとめの月です。子どもたちの成長の様子を振り返りながら,次の学年に向けて,一日一日を大切に過ごしていきたいと思います。今月もどうぞよろしくお願いいたします。 終わりのない平和学習新型コロナウイルス感染症対策のため,学習にも様々な制限があった今年度でしたが,平和学習は確実に積み重ねてきました。子どもたちの表情からも,本川小学校が平和学習を大切にしていることを感じていただけるものと思います。 平和学習には,終わりはありません。学べば学ぶほど,知識は広がり,思いは深くなります。この子どもたちには,本川小学校で学んだことを大切にし,卒業後も,さらに学びを深めてほしいと願います。 絵本のくに「今から,絵本のくにが始まりますよ。」 と伝えると,子どもたちは早歩きで教室に向かいます。本年度は,感染症拡大防止対策として,テレビ放送による読み聞かせをしてくださっていますが,有難いことに,このスタイルが子どもたちにもすっかり定着しているように思います。 今朝は,「ゆきおんな」のお話を読み聞かせてくださいました。画像と効果音としっとりとした声。この作品にぴったりでした。教室に行くと,子どもたちは作品の世界に入り込んでいました。お陰様で,1日を落ち着いた雰囲気の中でスタートすることができました。 写真は,読み聞かせを聴く3年生の様子です。 平和教育昭和20年8月6日の本川小学校の様子を想像してほしい。もし,そのとき本川小学校にいたらどうなったかと自分ごととして考えてほしい。そんなふうに思います。「想像する力」と「自分ごととして考える力」は,平和の実現の第一歩だと思います。 今日は,6年生が「思いをつなぐ」というテーマで平和について学習してきたことをまとめていました。ポスターセッションの方法で,発表するための準備です。「思いをつなぐ」・・・子どもたちは,当時の人々の思いを想像し,自分ごととして大切にまとめています。 お礼学校朝会【校長の話】 皆さんは覚えていますか?写真は,4月ごろのチューリップの様子です。被爆樹木のことを教えてくださる正本先生が植えてくださり,とてもきれいに咲きそろっていました。12月には,正本先生や地域の方が「本川小学校の子どもたちのために」と,またたくさんのチューリップを植えてくださっています。毎朝,美化委員さんが水やりをしています。昨日,掃除時間に3年生の人が,チューリップの小さな芽が出ているのを見付けていました。寒い中でも芽を出している様子を見て,とても嬉しくなりました。本川小学校の子どもは,土の中で頑張っているチューリップの命を大切にすることができます。また,きれいに咲きそろう日をみんなで楽しみにしていましょう。 今朝は,「そろえる」というお話をします。 先日,職員室に鍵を取りに来た人の靴が,きちんと向きを変えてそろえて置いてあるのを見たとき,とてもよい気持ちになりました。誰も見ていなくても,こういうことが当たり前にできる人は,素晴らしいと思います。この人たちに, 「靴をそろえることができる人は,心が美しい人です。」 と伝えました。 ここで,藤本幸邦さんの有名な詩を紹介しますね。 はきものをそろえる はきものをそろえると 心もそろう 心がそろうと はきものもそろう ぬぐときにそろえておくと はくときに心がみだれない だれかがみだしておいたら だまってそろえておいてあげよう そうすればきっと 世界中の人の心も そろうでしょう 自分の靴をそろえることのできる人は,落ち着いていて,心がおだやかに生活できる人です。そういう人は,そろえていない人の靴を黙ってそろえることができます。 そろうと気持ちよいのは,靴だけではありません。例えば,靴箱の靴。雨の日の傘。廊下の雑巾。掃除ロッカーのほうき。トイレの長靴。いろいろあります。自分の身の回りは,自分の心を映し出す鏡だと思います。心が乱れているときは,身の回りも乱れてきます。反対に,身の回りを整頓すると心も整ってきます。 昨日は立春。まだ寒いですが,暦の上では,春の始まりの日でした。これからの時期は,みんな一年のまとめをして,一つ上の学年に上がるための準備をします。そのときに,きれいに整った環境の中で,落ち着いて学習ができるとよいと思います。 チューリップの芽子どもたちのそばに寄ってみると, 「校長先生,チューリップの芽が出ているよ。」 と教えてくれました。先日,地域の方や学校協力者会議の委員長の正本先生が植えてくださったチューリップです。3枚目の写真で子どもが指さしているのが,チューリップの小さな芽です。春が確実に近付いていることを感じ,嬉しい気持ちになりながら子どもたちとチューリップの芽を眺めました。 そして,出張に出掛けることを子どもたちに伝えると, 「いってらっしゃい。」 「気を付けてね。」 と言葉を送ってくれました。チューリップの芽と子どもたちの言葉に温かい気持ちになり出掛けることができました。 立春に思う今日から,暦の上では,春の始まりです。節分から立春にかけては,暗い冬を抜け出して,希望に満ちた春を迎える感じがします。新しい気持ちで春を迎えたいと思います。そして,子どもたちに,当たり前の日常が早く戻ってくることを祈ります。 学年の声「あ,これは,〇年生だ!」 と思って窓をのぞくと,当たっていることが多くなりました。それぞれの学年の声があるように思います。 今日は,6時間目に3年生が体育でなわ跳びをしていました。やはり, 「これは,3年生の声だ!」 と当てることができました。 「もう一回やろう!」 「大丈夫。大丈夫。」 こんな優しい言葉と笑い声が聞こえ,和やかな雰囲気の3年生です。 ずらりと並んだ本読んだ本の数だけ,世界が広がります。子どもたちは,読書によって,言葉を学び,感性を磨き,表現力を高め,想像力を豊かにします。コロナウイルス感染防止対策のため我慢することの多い子どもたちに,せめて本だけは豊かに与えたい・・・という担任の思いがあります。 大事なこと「素晴らしい!靴を揃えるって大事なこと。きちんと揃えられる人は,心が美しいんだよ。」 と伝えました。 脱いだ靴を揃えることは当たり前のことかも知れません。でも,当たり前のことがなかなかできないこともあります。こうして,誰にも見られていなくても,きちんと揃えることができる子どもがいることを嬉しく思います。 今週も楽しかったよ子ども:「先生,さようなら。」 担任:「さようなら。今週も楽しかったよ。」 担任は,満面の笑顔です。「ああ,いいなあ。」と思いました。「今週もみんなと一緒にいることができて,先生は楽しかったよ。幸せだよ。」という思いが込められているのでしょう。子どもたちも嬉しい気持ちで担任の言葉を受け止めたことと思います。 ニワウルシさん 頑張ってね冬探しの学習を終えて整列し教室に帰る前に担任が言いました。 「ニワウルシさんに挨拶をして帰りましょう。」 ニワウルシは,被爆樹木2世で,平和の森で大きく育ち,私たちに命の大切さを教えてくれています。本校では1年生が平和学習で学びます。10月に1年生が学習したときには,青々とした葉をしげらせていましたが,その葉はすっかり落ちて,寒い冬を耐えています。 「寒さに負けないで頑張ってね。」 「ニワウルシさん 大好きだよ。」 子どもたちは,ニワウルシのそばに寄って,口々に話し掛けていました。 平和学習を終えてもニワウルシから子どもたちの関心が離れないようにという担任の心遣いを嬉しく思いました。 |
広島市立本川小学校
住所:広島県広島市中区本川町一丁目5-39 TEL:082-232-3431 |