最新更新日:2024/09/18 | |
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本川地区原爆死没者慰霊祭 追悼の辞第27回本川地区原爆死没者慰霊祭が開催されるにあたり、本川小学校を代表して、謹んで追悼の言葉を申し上げます。 本川小学校の校内には、被爆樹木が緑豊かに茂り、季節ごとに美しい花々が彩りを添えくれます。授業がある日には、教室や校庭から子どもたちの澄んだ声が響き、明るい笑い声が聞こえてきます。学校のすぐそばには、本川がゆったりと流れ、時折、路面電車の通る音も聞こえてきます。町には、子どもたちを見守ってくださる地域の方々の優しい笑顔と温もりがあります。これらは、私たちにとっては、当たり前の日常であり、風景であります。原子爆弾が投下される前の広島にも、きっと美しい自然があり、人々の笑顔や温もりがあり、大切なものであふれた町並みがあったに違いありません。 昭和20年8月6日、本川小学校は、原子爆弾の炸裂とともに、校舎は鉄筋の外郭だけを残し全焼、約400名の子どもたちの尊い命が一瞬のうちに奪われました。川は死者で埋まり、街は真っ赤な火の海となりました。多くの子どもたちが、地獄と化した状況の中で、傷つき、倒れ、助けを求めながら亡くなったと思うと、教師として、親として、人間として、胸が詰まります。 本川小学校には、この悲惨な事実を学び、「ほかの誰にもこんな思いをさせてはならない」という被爆者の願いとともに、一人でも多くの人たちに平和の大切さを「伝え続けていく」という使命があります。77年という歳月を経て、原爆による被害を体験した人たちが少なくなっている今、そして、ロシア軍による侵攻で戦火の続くウクライナ情勢を目の当たりにする中で、その使命の重みを改めて感じています。 本校の子どもたちは、平和への思いを自らの言葉で語ることができるよう、1年生から系統的に被爆の実相を学んでいます。 様々な平和学習の取組を通して、子どもたちの心に、「人を思う」という温かい気持ち、平和を大切にするやさしさと強さ、平和へ向かうため何らかの役に立ちたいという思いが芽生え、行動できる子どもに育つことを願ってやみません。この後、子どもたちが原爆で犠牲となられた方々への慰霊の気持ちを込めてつくった灯篭に火を灯し、鎮魂の祈りを捧げます。 結びに、原子爆弾の犠牲となられた数多くの御霊が安らかなることを心からお祈り申し上げるとともに、今後も、地域の皆様と手を携え、平和教育の充実とその発信のため、不断の努力を重ねることをお誓いし、追悼の言葉とさせていただきます。 令和4年8月5日 広島市立本川小学校長 築地 陽子 |
広島市立本川小学校
住所:広島県広島市中区本川町一丁目5-39 TEL:082-232-3431 |