最新更新日:2024/06/26
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本校は、校訓「やさしく つよく まじめに」のもと、「心豊かでたくましく、平和を求める子どもの育成」を基調とする教育活動を推進しています。明治6年(1873年)に創立した歴史と伝統のある学校です。卒業生には、児童文学史に燦然と輝く鈴木三重吉氏がいます。

学校長式辞

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 本日の卒業証書授与式で次のような話をしました。

【学校長式辞】

 春,桜をはじめとする花が早く咲くように促す雨を「催花雨」(さいかう)と呼ぶそうです。今日の雨は,まさに「催花雨」。花だけでなく,まるで、卒業生へ
「早く,あなたの花を咲かせなさい。」
とエールを送っているかのように思えます。今日の雨は,卒業にあたって意味のある雨なのです。

 今日このよき日,保護者の皆様のご出席を賜り,61名の門出を祝う「広島市立本川小学校 第141回 卒業証書授与式」を挙行できますことを心から嬉しく思います。

 保護者の皆様には,本日のお子様の様子に感慨もひとしおのことと存じます。これまで,本校にたまわりましたご協力に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。広島市の感染拡大はまだ心配な状況にあり,参加者や時間,内容など制限された中での挙行となりました。けれども、お子様の門出をお祝いするため,教職員及び在校生一同,今できる精一杯の思いを込めて準備してまいりました。ご理解いただきますようお願い申し上げます。

 卒業生の皆さん,ご卒業おめでとうございます。今,手にした卒業証書は,広島市平和記念公園の「原爆の子の像」に捧げられた折り鶴を再生した用紙でつくられています。爆心地からもっとも近い本川小学校で学び,平和学習を重ねてきた皆さんには,その重みを実感することができることと思います。皆さんはこれまでに平和の森の被爆した樹木や平和資料館及び本川の地域から被爆の実相を学びました。そして,学んだことを今度は自分が発信していかなければならないと考えました。そんな皆さんには、卒業証書に込められた多くの方の思いや託された願いを受け止め,今後につないでいく力が備わっています。この卒業証書が未来を築く力となることを信じています。

 ここで巣立ちを迎えた皆さんに,私から最後のメッセージを送りたいと思います。本川小学校での最後の平和学習です。
 今,緊迫するウクライナの情勢が連日報道されています。皆さんと同じ年代の子どもたちが不安や恐怖に泣き叫んでいる映像を見ると,胸が痛んでなりません。皆さんが平和学習発表会で演じた居森清子さんは,
「人間同士が殺し合う戦争は,どんな理由があっても起こしてはならないのです。この地球上から戦争はなくならならなければならないのです。わたしは命あるかぎり,わたし自身の体験をとおして,戦争,特に核兵器がどんなにおそろしいものであるかを,また平和の大切さを機会あるごとに訴え続けていきたいと思います。」
と被爆体験記の中で述べられています。この被爆体験記は,平和活動を推進しておられる「本川おもてなし隊」という地域の団体から皆さんにプレゼントされました。皆さんが被爆体験集とともに受け取ったメッセージカードには,
「本川小学校の平和学習の成果を中学校進学後も継続して,平和教育の若き伝承者となり,国際平和推進のリーダーに成長されることを願います。」
と添えられていましたね。皆さんは,自分に何ができるだろうと考えこんでしまうかもしれません。でも大丈夫です。これから出会う大切な人に,例えば,居森清子さんのことを語ることができるはずです。例えば,昭和20年8月6日に本川小学校で起こった悲しい出来事を伝えることができるはずです。また例えば,1年生に対して行った説明活動のように,本川小学校平和資料館を案内することもできるはずです。皆さんが学習してきたことを周りの人に伝えることが,国際平和推進リーダーへの第一歩です。本川小学校は,そのために,平和学習を継続して行っているのです。そして,この本川小学校で学んだ皆さんは,その力を既に十分に蓄えています。

 高学年として過ごしたこの2年間は,感染症拡大防止のため,様々な行事を縮小したり中止したりせざるを得ませんでした。しかし,皆さんは,こうした中でも,自分のできることを見つけ出し,よりよい学校生活になるよう工夫しました。制限された生活にも関わらず,いつも瞳をきらきら輝かせ,楽しいことを見つけ出し,明るい笑顔で過ごした皆さん。私はその姿から何度も勇気をもらいました。素直で,素朴で,人懐っこくて,ユーモアのある皆さんのことが大好きでした。
「こんな学校を築きたい。そして,こんな子どもを育てたい。」
という私の願いにぴったりの皆さんでした。私の願いをその姿で表現してくれた皆さんでした。
「教師冥利に尽きる」
という言葉があります。「教師として,これ以上の幸せはない」という意味です。皆さんと一緒に過ごし,「教師冥利に尽きる」思いを何度もしました。それは,ここにいる本川小学校の先生たちも同じ思いです。

 最後に,一つの詩を紹介します。

出逢い     関洋子
 
あなたに出逢えてよかった

しみじみとそうおもう
あなたに出逢えてよかった

ありがとう
ありがとう

すべてをふりかえる道が
この道へ続いていたと思える日は
こころが何度でもくりかえす

ありがとう
ありがとう

 さあ,出発です。皆さんが残した足跡は,ステージに置かれた校章旗にしっかりと刻まれ,これからも本川小学校に輝きます。本校の卒業生であることを誇りに,希望と強い意志をもち,中学校に進んでください。中学校もまた,皆さんの輝ける場所となるにちがいありません。
 卒業生の皆さんの健康と幸せを心よりお祈りするとともに,心からエールを送り,私からの式辞とさせていただきます。


令和4年3月18日
広島市立本川小学校長  岡田 由佳

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