最新更新日:2024/06/26 | |
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韋駄天
新たに始まったNHK大河ドラマの主人公の一人は金栗四三氏で,久々の近現代ドラマです。学生時分は陸上部の便利屋で,短距離も駅伝も走っていた身としては,少なからず思い出にも浸りながら見ています。
駅伝は日本独自の陸上競技で,誕生からすでに100年が過ぎ,現在では海外でも“Ekiden”として認知されています。最初の駅伝は東海道を500余kmも走る過酷なもので,それこそ夜通し行われたそうです。江戸時代の伝馬制からヒントを得て命名されたといわれていますが,「駅伝」という言葉自体は日本書紀にもその記述があります。 本校の駅伝大会ももう間近。子どもたちの練習にも熱が入っています。一部の教職員も一緒に走って声をかけ,汗を流しています。走り終わった後,同じように荒い息遣いで互いに声を掛け合う姿は,いつもよりも一層リラックスし,柔和な笑顔に溢れているように思います。一緒に体を動かす,同じ息遣いの時間を過ごす,負荷の共有をする。余計な感情や思いを削ぎ落とし,フラットな関係をつくることができるのは,スポーツの素晴らしさだと思います。 泣いたり怒ったりしながら歩いている人間は滅多にいませんが,誰しも困っていたり,不愉快だったり,不安だったり,感情が高ぶっていたり,様々なものを抱えながら今この時を過ごしています。子どもたちも同じです。私たちにはその隠れた思いを汲み取り,支えていくことが求められていますが,教職員と児童生徒の立場は大きく違いますし,大人と子どもの隔たりも随分大きいものです。しかし,共に過ごす場があることでその隔たりを限りなく小さくすることができる。授業などの教育活動の場で必要なことは,そのような「共に過ごす場」を工夫し,保障することではないかと思います。 教えるというより,価値のある時間を子どもたちと「共に過ごす」ための授業や活動のあり方を考えていきたい。これが今年の初心です。 |
広島市立似島学園小・中学校
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