最新更新日:2024/05/22
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詩「ゆずり葉」

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 春は,お別れの季節です。卒業式,離・退任式・・・
 でも春は,出会いの季節でもあります。あと10日もしたら就任式と始業式。そしてあくり日に入学式・・・。


 河合醉茗さん(1874-1965)の「ゆずり葉」という詩を紹介します。
 大人は子どもに様々なものをたくすために生き,また子どもは大人にたくさんのものをたくされて生きているんだということが、やわらかい詩の中に込められています。
 「ゆずり葉」という植物は,新しい葉が出来て,その後に古い葉が落ちていくことから,後世にゆずるという意味のこの名前がついています。「ゆずり葉」の一生は,大人が子どもの成長を見届けて去って行く人間の一生と似ています。




ゆずり葉
          河合醉茗
こどもたちよ
これはゆずり葉の木です
このゆずり葉は
新しい葉ができると
入れ代わって古い葉が落ちてしまうのです
こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉ができると無ぞうさに落ちる
新しい葉にいのちをゆずって
 
こどもたちよ
お前たちは何をほしがらないでも
すべてのものがお前たちにゆずられるのです
太陽のまわるかぎり
譲られるものは絶えません
 
輝ける大都会も
そっくりおまえたちがゆずり受けるものです
読みきれないほどの書物も
 
みんなお前たちの手に受け取るのです
幸福なるこどもたちよ
お前たちの手はまだ小さいけれど
 
世のおとうさんおかあさんたちは
何一つ持っていかない
みんなお前たちにゆずっていくために
いのちあるもの よいもの 美しいものを
一生懸命につくっています。
 
今お前たちは気がつかないけれど
ひとりでに いのちは伸びる
鳥のように歌い花のように笑っている間に
気がついてきます
 
そしたらこどもたちよ
もう一度ゆずり葉の木の下に立って
ゆずり葉を見る時がくるでしょう  


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