答 辞

　暖かな春の光に包まれ、桜のつぼみもふっくらと色づき始めています。このよき日に、私たち１２５名は井口台中学校を卒業します。
　先生方、在校生のみなさん、私たちのためにこのような素晴らしい式を催していただき、ありがとうございます。ご来賓の皆様、保護者の皆様、足をお運びくださったこと、厚く御礼申しあげます。

　３年前の春、これから始まる新たな生活に、大きな期待と不安を抱き私たちはこの体育館で出会いました。あの頃は少し大きかった制服も、いつの間にかぴったりになりました。あのとき、見慣れなかったみんなの顔は、毎日目にするうちに、大人っぽくなったことに気がつかないくらい、いてくれて当たり前の存在になりました。
　しかし、そんな学校生活も今日で終わりを迎えます。これまでのみんなとの思い出を振り返ってみると、とても楽しい時間を過ごしてくることができたなと感じます。
　入学して少しずつクラスに馴染んできたときにあった野外活動。みんなでろうそくを囲んで心を通い合わせたことを、今でも鮮明に覚えています。この経験をきっかけに、私たちは少しずつ打ち解けていきました。
　人の温かさに触れた修学旅行。桜島をはじめとした大自然の下での民泊体験では、そこでしかできない経験を通して、民泊先の方とのかけがえのない思い出が生まれました。
　みんなと過ごしたこの三年間は、本当にあっという間に過ぎ去っていきました。朝、眠い目をこすりながらの登校。一人でわからないときは、ペアやグループで協力し合った授業。校庭や教室でふざけ合って、笑顔が絶えなかった休憩時間。厳しい練習を乗り越え、仲間との絆を育んだ部活動。思い返すと私たちはどんな時も一緒に過ごしてきました。嬉しいときには一緒に喜び、辛いときには励ましてくれる、そんなみんなが大好きです。これまで何気なく過ごしてきた日々はもう戻りませんが、その中で築いてきた私たちの友情は、永遠に続いていくと信じています。

　１、２年生の皆さんに。部活や行事など、いろいろな場面で助けてもらったことを思い出します。私たちにとって「後輩」というあなた方の存在は、本当に大きく、大切な存在でした。私たちを「先輩」にしてくれてありがとう。これからの井口台中学校は、皆さんの手にかかっています。自分たちの学校を、自分たちの色で創り上げていってください。

　先生方。私たちにとって先生方は、いつまでも尊敬する存在です。時にはしかられ、時には反発し、生意気な態度をとってしまう事もありました。そんな時でも先生方は決して見放すことなく私たちにまっすぐな目で、愛情を持って向き合ってくださいました。いつか成長した姿を見せに必ず会いに来ます。そのときには、今と変わらず温かく接してください。３年間本当にありがとうございました。

　地域の皆さん。毎日の挨拶だけでなく、お忙しい中、行事にも足をお運びくださりありがとうございました。皆さんのおかげで、井口台、鈴が峰が大好きになりました。卒業後の私たちは地域の一員ですので、これからも温かく接してください。

　そして、いつも一番近くで支えてくれた家族。私たちが苦しいときには、いつも一番に気づいて、勇気づけてくれたことがとても力になりました。これからもいろいろな迷惑をかけてしまうと思いますが、成長していく私たちを誰よりも近くで見守ってください。

　私たちの目の前には、一人ひとり全く違う道が伸びています。それぞれが進んでいく中で出遭うたくさんの困難を、自分らしく乗り越えていきます。私たちは今、その果てしなく続く道のスタートラインを、この台中で手に入れたかけがえのない仲間と共に踏み出します。みんな本当にありがとう。
　素晴らしい出会いをくれた台中に、そして、今ここにいる全ての皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
　
　最後になりましたが、本日ご列席の皆様にご健勝とご多幸を心からお祈りし、答辞とさせていただきます。


　　　 　令和２年３月１２日
　　　　　　　　　　 　　　　　 卒業生代表