最新更新日:2024/05/16
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子どもに自己実現力を

韋駄天

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 新たに始まったNHK大河ドラマの主人公の一人は金栗四三氏で,久々の近現代ドラマです。学生時分は陸上部の便利屋で,短距離も駅伝も走っていた身としては,少なからず思い出にも浸りながら見ています。
 駅伝は日本独自の陸上競技で,誕生からすでに100年が過ぎ,現在では海外でも“Ekiden”として認知されています。最初の駅伝は東海道を500余kmも走る過酷なもので,それこそ夜通し行われたそうです。江戸時代の伝馬制からヒントを得て命名されたといわれていますが,「駅伝」という言葉自体は日本書紀にもその記述があります。

 本校の駅伝大会ももう間近。子どもたちの練習にも熱が入っています。一部の教職員も一緒に走って声をかけ,汗を流しています。走り終わった後,同じように荒い息遣いで互いに声を掛け合う姿は,いつもよりも一層リラックスし,柔和な笑顔に溢れているように思います。一緒に体を動かす,同じ息遣いの時間を過ごす,負荷の共有をする。余計な感情や思いを削ぎ落とし,フラットな関係をつくることができるのは,スポーツの素晴らしさだと思います。
 泣いたり怒ったりしながら歩いている人間は滅多にいませんが,誰しも困っていたり,不愉快だったり,不安だったり,感情が高ぶっていたり,様々なものを抱えながら今この時を過ごしています。子どもたちも同じです。私たちにはその隠れた思いを汲み取り,支えていくことが求められていますが,教職員と児童生徒の立場は大きく違いますし,大人と子どもの隔たりも随分大きいものです。しかし,共に過ごす場があることでその隔たりを限りなく小さくすることができる。授業などの教育活動の場で必要なことは,そのような「共に過ごす場」を工夫し,保障することではないかと思います。
 教えるというより,価値のある時間を子どもたちと「共に過ごす」ための授業や活動のあり方を考えていきたい。これが今年の初心です。

謹賀新年

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 子どもたちの元気な声が学校に戻ってきました。

 明けましておめでとうございます。それにしても正月だからといって,何がそんなにおめでたいのでしょうか。皆さんは知っていますか。
 新年最初の学校朝会は,お決まりの挨拶の後,この質問から始めました。

 ご存じの通り,現在の暦が採用されたのは明治時代,西郷隆盛の働きによるものです。それ以前は日常生活で七曜が用いられることもなく,人々は毎日を同じリズムで暮らしていました。正月は,年神様をお迎えする行事であると同時に,新しい年を無事に迎えることができた感謝と慶びを休みをとって祝うものでした。誰もが自分の誕生日を祝う習慣はなく,元日にみんな一緒に一つ歳を重ねるわけです。正月に「おめでとう」を言い合うのは,そういう諸々のお祝いを全て含んでいるのです。
 一方で,一休宗純は
「門松は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」
と詠み,髑髏のついた杖を振り回して「ご用心なされ。」と歩き回ったと言われています。正月を迎えるたびに一つ歳を重ねるならば,それは確実に死が近づいているとということだ,という一休禅師独特のアイロニーです。
 それならば,余計に今あることに感謝をし,このひとときを大切に生きていかなければなりません。「おめでとう」の中に「ありがとう」の思いを意識しながら,日々できることを全うする。
「ぼうっと生きてんじゃねえよ!」
 どこからかそう叱られないように,また今年も一所懸命過ごしていきましょう。

 全校朝会では,年末にこのページで述べた「一期一会」の心構えを基に,このような内容の話をしました。小学生には少し難しかったかもしれません。

 みなさま,本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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