最新更新日:2024/05/16
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子どもに自己実現力を

手伝おうか

 一昨日,無事に引っ越しが終わりました。子どもたちは実にきびきびとよく働いたと思います。小学校の荷物を最後まで運んでくれた中学生。快く力を貸す態度に,頼もしさを感じました。
 その中で輝いた言葉が,「手伝おうか」です。この言葉が沢山飛び交っていました。通り過ぎる友だち同士が挨拶のように声をかけていました。相手を思いやると同時に,自分の出来ることに進んで取り組もうとするいい言葉なのですが,相手の言葉を引き出す疑問型なのが味噌です。本校の子どもたちにとってとても大切なことです。
 「手伝おうか」と声をかけられたら,必ず何らかの返答をすることになります。私たちはそのとき,返答の最初に「ありがとう」を添えています。意識することなく,内面から自然に引き出される「ありがとう」と,相手を思いやる「手伝おうか」。素敵な会話があちこちで聞こえました。
 黙って友だちの荷物の一部を引き取り,一緒に運ぶ姿も多く見かけました。ここには物言わぬ「手伝おうか」と「ありがとう」が弾んでいました。
 少し涼しい風が廊下を渡った午後。
 心温かくなる引っ越しのひとときでした。

花壇

「一億一心」
 第二次大戦前に当時の近衛文麿首相が使った言葉です。この石碑は開校前から敷地内にあり,旧陸軍施設の名残と言えるものです。碑の裏側の銘文は削り取ってあります。大戦前から戦後にかけてのこの国の姿,変遷を映す貴重な資料だと思います。
 この言葉は国民を戦争に駆り立てるために使われた経緯もあり,強い負のイメージがあります。しかし,言葉自体に罪があるわけではありません。言葉を遣うのは人間です。
 心をひとつにする,共通の価値観や目的意識をもって物事に取り組む,そのこと自体はとても大切なことです。

 この石碑を取り囲む花壇は,石碑同様かなり長い間放置されていましたが,業務員のみなさんが綺麗に整えてくれました。大きな石や煉瓦も数多く埋まっており,なかなかの重労働でした。
 石碑の変遷や言葉の意味を考えることが出来るよう,沢山の花で回りを飾りたいものです。

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引越

 土砂災害などの影響で,予定より1ヵ月以上遅れてやっとプレハブ校舎が完成しました。工事関係者のみなさんは,土・日・祝日に作業してくださったこともありました。ありがとうございました。
 今日は児童・生徒と教職員で引っ越しです。プレハブ建設にご尽力いただいた関係者の働きや思いを噛みしめながら,出来るだけ現状を維持できるよう,大切に大切に使いたいと思います。

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「まだ駄目だ」

「もう駄目だ。」
「まだ駄目だ。」
 同じように駄目なんですが,ふたつの言葉には大きな違いがあります。
 前者は可能性を断ち切ってしまう言葉です。その先はありません。後者には続きがあります。少なくとも可能性に向かって進もうとする意欲や姿勢を感じます。
 これは,今季限りで引退することを決めたカープの新井貴浩選手を評した言葉です。衆知のとおり,彼はどんなに叱られても,どんなに失敗しても,常に「まだ駄目だ。」という姿勢で野球に取り組んでいます。
「不可能を可能にする。」
 誰しもが憧れるスーパーマンのような人間に,才能や能力によることなく「できるまでやり抜く姿勢」によって,誰しもがなれるかもしれない。生き方でそう示してくれた選手だと思います。きっと,「無理です。」「できません。」という言葉を使うことはほとんどないのでしょう。
 まさしく生きた教材です。子どもたちに学んでほしい,手本にしてほしい姿勢です。

蝉の声

 猛暑のせいか,今夏は蝉の声が耳に残らなかったように感じます。
 周知の通り,彼等は長い時間を地中で過ごします。成虫として自由に飛び回り命を謳歌できる時間は数日しかないと言われ,命のはかなさ,懸命に生きる姿勢などのシンボルとして取り上げられることが多いようです(実際は1ヵ月くらい生きるそうですが)。
 彼等が自由に飛び回る時間は,実は試練なのではないかと考えることがあります。蝉は特別に素早く飛べる生き物でも,硬い甲殻をもっているわけでも,武器をもっているわけでもありません。実際に何度か見たことがありますが,鳥にとっては格好の餌です。彼等にとって,空は敵だらけで非常に危なっかしい空間です。交尾して子孫を残すために,懸命に歌い,飛び回るのが彼等に与えられた「自由」なのです。
 そうした意味で,地中はある程度安全と生命の保障された空間なのではないでしょうか。勿論,土竜などはいるにせよ,鳥類ほどの危険はないでしょう。大きな温度変化も豪雨などの気象変化も受けにくく,むしろ暮らしやすい空間なのかもしれません。彼等は地中で変態を繰り返し,敵だらけの空を生き抜くための力をじっくりと身に付けていくのです。
 子どもたちにとって生き抜くための力を磨く場所は学園であり,学校です。「自分は大勢の人に守られている」という安心感を子どもたち一人ひとりが自覚できるような教育環境を創るために,研鑽を重ねたいと思います。

似島学園創立記念日

 授業再開。久しぶりに全員が似島学園小中学校に揃いました。
 同時に今日は似島学園創立記念日。原爆投下一年後,被爆孤児のために奔走した森芳麿初代園長がこの地に学園を創設して72年が経ちます。日数にして26297日。秒だと22億7206万800秒。その瞬間瞬間に,学園指導員,関係者,本校教職員,そして何より子どもたちと保護者の方々,どれだけの人のどのような思いがこめられ,注がれ,流され,切り取られて来たのでしょう。その蓄積に思いを巡らすことが,これからの進むべき道を少しでも明るくすることにつながると思います。
 記念日というのはそういうことだと考えています。

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広島市立似島学園小・中学校
住所:広島県広島市南区似島町長谷1487
TEL:082-259-2311