最新更新日:2024/05/07
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子どもに自己実現力を

ようこそ! 似島学園小中学校へ

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 玄関にあるウエルカムボード。小学校1年生5人が作り替えてくれました。色紙を使った点描画で,ほのぼのとした手作り感のある温かなデザインです。小富士と瀬戸内海が,訪問者をにこにこと出迎えている感じがして,実に可愛い。
 詩は,5人で手分けをし全員で書いたそうです。字の大きさや字形,筆圧まで揃っていて,書くスピードも同じくらいだったのでしょう。5人がこの作品に込めた気もちと,声をかけながら丁寧に仕上げた様子がうかがえます。
 5人揃って校長室に作品を持ってきたときの誇らしい顔。大勢の教職員に誉められて尚一層輝きました。

 心のこもったウエルカムボードが皆様のご訪問をお待ちしております。
 

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6年生を送る会

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 小学校卒業を間近に控え,6年生を送る会を開きました。
 BIG福笑い,BIGかるた大会など,縦割りグループの中でのかかわりや協力を大切にした活動が計画され,1年生から6年生で和やかな午後のひとときを過ごすことができました。
 グループの代表でゲームに参加する友だちを応援したり,アドバイスしたりする姿,ゲームを待つ時間に6年生に甘えてしがみつく1年生,見事にかるたを取った友だちへの拍手や歓声。企画した児童会役員のねらいどおり,優しくて温かいかかわりがたくさん見られました。
 最後は在校生から歌のプレゼント。6年生からは群読の返礼。精一杯の声でエールを交換したように思えました。
 6年生が小学校最高学年として過ごす時間は2週間。在校生が今後目指すべき目標として,最後の一瞬まで自分を磨き続けてほしいと思います。

体験入学

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 幼小連携行事として,本年度2度目の体験入学を行いました。
 1年生が今年度経験した学習活動や行事について,絵や写真,図などを使って発表しました。少し恥ずかしがりながら,ではありますが,幼児さんたちにわかりやすく説明することができました。
 練習のときは,もっと上手にできたのに……という思いもあるようですが,発表のときにいつも100%の力を発揮できるとは限りません。だから,100%に近いパフォーマンスができるように日々練習を重ねるのだと思います。
 かつて,長野オリンピックで日本男子スケート史上初の金メダルを獲得した清水宏保選手は,大会前の下馬評で金メダルの大本命でした。しかし,アスリートの中には下馬評が高くても本番で結果を残せなかった人も数多くいます。大会前の彼の言葉が非常に印象に残っています。
「きっと,オリンピックの本番に100%のピークを合わせることは無理だと思います。それでもきっと僕が勝ちます。そういう練習をしてきました。」

 1年生はこの日を迎えるまでに,発表内容をまとめ,原稿を書き,何度も練習を重ねました。取組に対する懸命な姿勢や態度こそが1年生の力となったはずです。
 入学が間近になった幼児さんたちの聞く姿勢や返事の仕方にも成長を感じたひとときでした。

図書贈呈

 弘済会広島支部から図書を贈呈していただきました。

 今年度は小学校で「似島タイム」として,教職員による読み聞かせ学習に取り組みました。子どもたちの興味・関心に応じて,校内のいろいろな場所に読み聞かせの場を設定し,穏やかに本に親しむ時間をつくろう,というねらいで計画しました。子どもたちの読書意欲を喚起し,生活に落ち着きをつくりたいという思いもありました。中学生による読み聞かせ活動も継続して行いました。内山臨時司書教諭の活躍で,図書室の蔵書の修繕や整理,図書管理と環境整備など,格段に改善しています。
 子どもたちを取り囲む図書環境は日々充実したものになりつつあります。今回の図書贈呈に恵まれたことは,今後のより一層の図書活動につながると思います。
 ありがとうございました。

お話し会

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 小学校で,今年も大森昌子先生をお招きして「お話し会」を開催しました。
 週の初めであること,子どもたちの実態や今までの経験,季節も考慮した上で,子どもたちが物語の世界に浸りきれるような図書を選んで,キャリーケースにたくさん運んできてくださいました。まさに「お話のサンタクロース」でした。
 長いお話もありましたが,子どもたちは興味津々で聞き入っていました。
 先生の朗読を聞いていて学ぶべき点が多くありました。

○声の大きさが適切である。
 声が小さいと聞き取りにくいのは当然ですが,大きすぎても子どもにとっては邪魔な音になります。声が聞こえる安心感で,私語が始まったり,気もちが逸れたり,姿勢が崩れたりすることがあります。ちょうど聞こえる声で,子どもたちの前のめりの姿勢を引き出すことができます。
○過度な抑揚をつけない。
 声の高低は意識しつつ,過度な表現を抑えるようにされています。子どもたちの中でそれぞれの世界が生まれることを妨げない配慮だと感じました。必要な変化は,声の高低や読みの速さで表現されました。
○ゆっくり聞き取りやすい速さを意識する。
 子どもにとって聞き取りやすい速さは,比較的ゆっくりです。イメージを広げるゆとりを与えつつ読むことを意識されているようです。

 これらは日頃の発問や指示に通じる,是非参考にしたい技能だと思います。子どもたちにとって聞きやすい話し方について,自分自身を見つめ直していきたいと思いました。

和敬清寂

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 2月15日(金)に,今年もお茶会を開くことが出来ました。
 本校をOGである村上先生をはじめ,多くの先生方には,かなり早い時期から綿密な打ち合わせをしていただき,前日準備,当日は早朝より夕方まで,子どもたちのためにボランティアをしてくださいました。
 子どもたちは,それぞれが作った花瓶に花を生け,作法を教わってお茶をいただきました。
 花を生ける心,お茶をもてなし,いただく心についてのお話をうかがい,会が進むうちに,子どもたちの背筋が次第にピンと伸びて,閑かな落ち着いた雰囲気になっていきました。とてもうれしく,頼もしく感じた一日です。
 心地よい緊張感と,互いの時間・空間を思いやる空気。未熟ながらも「和敬清寂」の入口が垣間見えたように思いました。たとえ小学校低学年であっても,やればできると思えた瞬間でした。

 たくさんの時間を割いて,お花の心,お茶の心を教えてくださった先生方,本当にありがとうございました。 

立春

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 今年の立春は一段と暖かな日になりました。昼間は上着も要らないほど。
 秋に人権擁護委員の方々からいただいた「人権の花」も,この陽気に誘われてつぼみが大きく育ち,早いものはもう綺麗な花をつけています。一つひとつは小さいですが,凜とした形のはっきりとした花たちです。

 雨水,余寒,春一番,啓蟄,水温む……。

 日一日過ごすうちに,きっとたくさんの凜とした花々を咲かせてくれることでしょう。
 子どもたちの心にも人権の花,友情の花がはっきりした輪郭でたくさん咲くよう育てていきたいと思います。 

高さ

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 ランチルームに新しいテーブルが入りました。小学校低学年児童用の低いテーブルです。
 子どもたちは今まで,椅子の上に正座したり,マットを置いたりして高さを調節していましたが,このテーブルのお蔭で自然に姿勢良く給食をいただくこどできるようになりました。子どもたちの大きさに寄り添ったテーブルです。
 テーブルに習い,子どもたちが見ている視点の高さ,声を発する口の高さ,音の聞こえる耳の高さに合わせてみる,しゃがんでみることの大切さを考えさせられました。

給食を学ぼう

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 「世界の給食」「日本の給食の歴史」について,家庭科で調べ学習を行いました。中学生が熱心に調べ,丁寧にまとめました。
 「世界の給食」を見ると,それぞれの国や地域の食材を生かした献立が工夫されていることがわかります。生活スタイル,文化など,食を通して幅広い学びを得ることができました。
 また,弁当を持ってくることができない子どもたちにせめて昼食を,という山形県の学校の活動をきっかけに定着した学校給食の変遷を「日本の給食の歴史」にまとめています。それぞれの時代の献立の変化に,生活背景や給食を提供した人々の思いを感じ取ることができました。
 昼の時間になったら,当たり前のように給食が用意されていることに深く感謝しつつ,美味しくいただきたいと思います。

韋駄天

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 新たに始まったNHK大河ドラマの主人公の一人は金栗四三氏で,久々の近現代ドラマです。学生時分は陸上部の便利屋で,短距離も駅伝も走っていた身としては,少なからず思い出にも浸りながら見ています。
 駅伝は日本独自の陸上競技で,誕生からすでに100年が過ぎ,現在では海外でも“Ekiden”として認知されています。最初の駅伝は東海道を500余kmも走る過酷なもので,それこそ夜通し行われたそうです。江戸時代の伝馬制からヒントを得て命名されたといわれていますが,「駅伝」という言葉自体は日本書紀にもその記述があります。

 本校の駅伝大会ももう間近。子どもたちの練習にも熱が入っています。一部の教職員も一緒に走って声をかけ,汗を流しています。走り終わった後,同じように荒い息遣いで互いに声を掛け合う姿は,いつもよりも一層リラックスし,柔和な笑顔に溢れているように思います。一緒に体を動かす,同じ息遣いの時間を過ごす,負荷の共有をする。余計な感情や思いを削ぎ落とし,フラットな関係をつくることができるのは,スポーツの素晴らしさだと思います。
 泣いたり怒ったりしながら歩いている人間は滅多にいませんが,誰しも困っていたり,不愉快だったり,不安だったり,感情が高ぶっていたり,様々なものを抱えながら今この時を過ごしています。子どもたちも同じです。私たちにはその隠れた思いを汲み取り,支えていくことが求められていますが,教職員と児童生徒の立場は大きく違いますし,大人と子どもの隔たりも随分大きいものです。しかし,共に過ごす場があることでその隔たりを限りなく小さくすることができる。授業などの教育活動の場で必要なことは,そのような「共に過ごす場」を工夫し,保障することではないかと思います。
 教えるというより,価値のある時間を子どもたちと「共に過ごす」ための授業や活動のあり方を考えていきたい。これが今年の初心です。

謹賀新年

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 子どもたちの元気な声が学校に戻ってきました。

 明けましておめでとうございます。それにしても正月だからといって,何がそんなにおめでたいのでしょうか。皆さんは知っていますか。
 新年最初の学校朝会は,お決まりの挨拶の後,この質問から始めました。

 ご存じの通り,現在の暦が採用されたのは明治時代,西郷隆盛の働きによるものです。それ以前は日常生活で七曜が用いられることもなく,人々は毎日を同じリズムで暮らしていました。正月は,年神様をお迎えする行事であると同時に,新しい年を無事に迎えることができた感謝と慶びを休みをとって祝うものでした。誰もが自分の誕生日を祝う習慣はなく,元日にみんな一緒に一つ歳を重ねるわけです。正月に「おめでとう」を言い合うのは,そういう諸々のお祝いを全て含んでいるのです。
 一方で,一休宗純は
「門松は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」
と詠み,髑髏のついた杖を振り回して「ご用心なされ。」と歩き回ったと言われています。正月を迎えるたびに一つ歳を重ねるならば,それは確実に死が近づいているとということだ,という一休禅師独特のアイロニーです。
 それならば,余計に今あることに感謝をし,このひとときを大切に生きていかなければなりません。「おめでとう」の中に「ありがとう」の思いを意識しながら,日々できることを全うする。
「ぼうっと生きてんじゃねえよ!」
 どこからかそう叱られないように,また今年も一所懸命過ごしていきましょう。

 全校朝会では,年末にこのページで述べた「一期一会」の心構えを基に,このような内容の話をしました。小学生には少し難しかったかもしれません。

 みなさま,本年もどうぞよろしくお願いいたします。

御用納め

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 平成30年度が幕を下ろそうとしています。新年を迎える準備もできました。
 日本でかつて用いられていた数え年の習慣では,元日に皆がひとつ歳を重ね,無事に新年を迎えることができたことを祝っていました。
 今年もまた新年を迎えることができる。
 若い頃には当たり前のことで,特に何の想いもなかったのですが,一年が過ぎるのが早く感じられるようになるごとに,無事に一年が終わることの有難さが身にしみるようになってきました。
 何歳であろうと,老若に関係なく,時の過ぎる早さは変わりません。時間を大切にする生き方,以前にも触れた「一期一会」の心構えは,できるだけ早いうちに身に付けることができるに越したことはないと思います。
 子どもたちの過ごす学校生活が,より価値ある時間になるような教育実践を目指し,来年も一層励みたいと思います。

子走(しはす)

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 「師走」
 語源には諸説ありますが,年の暮れの忙しさに僧侶・神職・教員などの「師」が「馳す(はす)」,つまり走るという意味です。
 本校も明日の三連休から実質的な冬季休業となります。子どもたちは集会で生徒指導主事の諸注意を姿勢良く聞いていました。このあたりにも先日の学習成果発表会までに身に付いた力が垣間見えました。

 先日も紹介したように,子どもたちの駅伝大会への練習が熱を帯びてきています。正に「子走」です。昨今は指導者主導のスパルタ式指導法に批判が集まり,子どもたちの主体性を大切にした指導のあり方が模索されています。体育的な技能だけでなく,学校教育で行われる学びのあらゆる面で,子どもの力の引き出し方には意欲付けや達成感を生み出す指導・支援の仕組みが必要とされています。とは言え,自分の限界から一歩踏み出すには,強制力や切迫感が大きな役割を果たすことは明らかです。それを自分の中から生み出すことができるようにするのか,外的圧力に頼る人間として育てるのか,それが問われているのでしょう。
 子どもたちの発達段階や実態に応じ,それぞれの主体性を引き出す指導・支援は容易に設定できるものではありません。しかし,科学技術,医療技術,各種運動競技のタイムや成績,技能など,人間は様々な面で進歩・進化を続けています。教育技術においても一層の進歩が求められるのは当然のことです。
 子どもたちが自分の足で主体的に走る「子走」を目指して,来年度も教職員一同ますます研鑽・努力を重ねていきたいと思います。

大掃除の意義

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 昨日は大掃除の日でした。
 多少賑やかな声はしていましたが,掃除道具を手に一生懸命自分の仕事に取り組む姿は,決して先日の学習成果発表会の成果と無縁ではないと思います。
 それにしても大掃除に取り組む意義とは何でしょうか。子どもたちにどのように説明すればよいのでしょうか。
 当たり前のことですが,塵や埃,ごみなどを取り除き,不要な物は廃棄する,必要な物は整理・整頓することで環境を物理的に整えることが挙げられます。誰しも美しく整った環境で過ごしたいのですから。そういった意味では清掃活動には限りがありません。どれだけやっても,塵や埃,ごみひとつ落ちていない,完全に美しく整った環境をつくることは不可能です。
 では,何のために清掃活動を行うのか。どこで折り合えばよいのか。
 ひとつの答えは「心がすっきりする」ためだと思います。そこにある道具や自分自身の能力を駆使して,みんなや自分が決めたイメージを実現するために,設定した時間集中して一生懸命清掃活動に取り組む。そうして過ごした時間はきっと清々しく,気もちのよいものでしょう。「心がすっきり」する瞬間なのはないでしょうか。勿論,身体にも心地よい疲れが感じられるはずです。私たちが年末に大掃除をするのは,「心がすっきり」した状態で新年を気もちよく迎えたいからだと思います。自分の心身を満足させ,達成感を味わう取り組み。そういう自分と向き合う仕事。それが大掃除なのだと考えています。手を抜いてサボっていたのでは,このすっきり感は生まれないでしょう。
「掃除とは心がすっきりすることと見つけたり。」
 だから私は簡単に「掃除終わったよ。」という子どもには,必ずこう問うてみることにしています。
「君の心はすっきりしましたか。」

第31回学習成果発表会

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 16日に第31回学習成果発表会を行いました。
 ご来賓の方々,地域や保護者の皆様など多数の参観者においでいただき,子どもたちは張り切って,精一杯の歌や合奏,和太鼓を披露することができました。ご参観くださった皆様,寒い中誠にありがとうございました。
 今回の行事で子どもたちの成長を感じたのは,歌や合奏,和太鼓の表現活動だけではなく,鑑賞する姿勢や入退場での姿勢・態度です。歩き方や足音に気をつけることができるようになった小学生が増えたこと,登壇する際に横の列を意識し,友だちの動きを観察しながらタイミングを揃えようとしていた中学生,出演前の整然とした待ち方・並び方など,沢山の気づきを挙げることができます。練習を重ね,発表会を迎えて子どもたちの意識が高まったことが見てとれました。
 発表会などの表現活動は,発表者の表現の質が高ければよいものになるわけではありません。表現の質に加え,発表者・参観者の姿勢や態度,鑑賞の質など,会場が一体となり素晴らしい雰囲気を創り上げてこそ,です。
 これは普段の授業や生活など学校の学びの場にも同じことが言えます。運動会や学習成果発表会でできたこと,確かめたことを日頃の学びの場にフィードバックし,更に磨いていくよう指導・支援を行いたいと思います。

一期一会

 この言葉は近年,子どもたちの間でも人気で,ノートの表紙や下敷き,クリアファイルのデザインに頻繁に用いられています。「出会いを大切に」という意味でとらえられ,友だちとの友情を描いたイラストなどが添えられることが多いようです。茶道の心得として千利休が述べたと言われていることは衆知でしょうが,本来の意味は少し違うことはあまり知られていないように思います。
 一期一会とは,茶会などの場において,これが生涯一度の,あるいは最後の出会い,ひとときだという覚悟で,主客共に誠意を尽くす心構えを言います。つまり,今のこのひとときは一生で一度の機会だという思いをもって相手に接し,精一杯物事を成し遂げましょう,という教えです。
 子どもたちにとって,今日の授業は生涯に一度限りです。例えば,「ごんぎつね」の第一次第1時は二度とやってきません。私たちはその責任と覚悟を背負って授業の準備をしているか,子どもたちと向き合っているか,常に自分に問い続けることが求められています。同時に,一期一会の姿勢で授業に臨む子ども,学級を育てていく必要もあると思います。

余裕をもつ

 中学3年生の願書提出を間近に控え,いよいよ本格的な受験シーズンを迎えます。日々の積み重ねがものを言う学力ですが,それでも最後の一瞬まで力の限りを尽くすことは,スポーツであれ受験であれ,とても大切なことです。
 人間は横着ですから,少なくとも私などはギリギリ必要最低限の努力で最大の効果や成果が手に入らないものか,と夢のようなことばかり考えていました。
「無駄な努力はしたくない。」

 無駄な努力など,この世にはありません。力いっぱい取り組んだことは,必ず自分の身につき,力になっています。例え遠回りに見えても。だからこそ,「余裕をもって行動をしましょう。」と言われます。
 余裕をもつというのは,受動的な言い方をすると,必要最低限になること,ギリギリで行動することを避けるということです。常に必要最低限,ギリギリで行動したり,取組をしたりしていると,イレギュラーに対応できず,失敗やエラーの恐れが大きくなります。うまくいけば成功する,例えば,晴れていれば洗濯できる,交通状況が良ければ間に合う,合格のギリギリラインを狙うなど,不確定要素の大きな条件に頼って行動すると,失敗するリスクが限りなく大きくなるのです。きっと,洗濯が間に合わなかったり,遅刻したり,受験に失敗したりするのでしょう。
 余裕をもつ = ある程度想定できる事態に備える。
 決して特別なことではありません。特殊な能力でもありません。一つひとつの取組のゴールを設定し,見通しをもち,具体的な活動をイメージする。授業設計と同じです。
 子どもたちは1月の駅伝大会に向け,体育科の時間に練習を始めました。ゴールの瞬間,「力いっぱい走りきった!」と言えるように,地道な取組を重ねていってほしいと思います。

 当たり前の話でした。


トム・ソーヤ理論

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 「トム・ソーヤの冒険」
 子どもの頃何度も読み返した名作です。作者のマーク・トウェイン自身や周囲の人々に起きた,あるいは経験した,ほぼ実話に近い物語だという点が,ワクワクするような想像力をかき立てるのかもしれません。

 トムはいたずらっ子で遊びたい盛りの少年です。伯母さんの言いつけなど聞かず,目を盗んでは宿題や家の手伝いもせず遊びに出かけます。ある日,伯母さんにつかまってしまい,塀のペンキ塗りを命じられました。仕方なく嫌々ペンキを塗っていたトムですが,友だちがやってくると途端に熱心に脇目も振らずペンキを塗り始めます。
「なんだトム,ペンキ塗りをさせられているのか。可哀想に。」
 一心不乱,黙々とペンキを塗るトム。友だちが話しかけても知らん顔しています。とうとう友だちが、少し代わってほしい,ペンキ塗りをさせてほしいと頼みますが,
「僕が伯母さんに頼まれた仕事なんだ。僕でないとできない仕事だからね。君にさせたら僕が怒られちゃう。」
と断ります。
 ついに,このリンゴをあげるからやらせてくれ,と友だちに頼まれたトム。仕方なさそうに友だちにペンキ塗りを譲り,彼は木陰でリンゴを食べながらのんびり様子を眺めます。
 友だちが通りかかるたびにトムは何回も繰り返し,木陰でおやつやら読書やら昼寝やらしている間に,あっという間に塀は美しく仕上がりました。伯母さんは驚き,喜び,
「トム,お前はやればできる子だと思っていたよ!何て素晴らしい仕事ぶりだろう!さあ,たくさん遊んでおいで。」
 そう言って,トムにおやつをくれました。

 この話,肝心なのは誰も不幸になっていないことです。いわゆる,WIN−WINの関係が成立しています。そこがトムの知恵のすごいところでしょう(悪知恵には違いありませんが)。
 特に学ぶべきことは,トムがペンキ塗りという面白くない仕事に巧みに価値付けをしたことです。ただのペンキ塗りは,トムの価値付けによって,通りがかった友人たちにとって羨望の仕事になったのですから。
 私たちの役割はそこにあると思います。学校生活で子どもたちが取り組む活動に,いかに素敵な価値を与えるか。国語科学習,給食,清掃活動,教室移動,体育科学習,健康観察,挨拶,整列,身だしなみ,社会科学習,連絡帳,係活動,運動会,式の椅子並べ…。それぞれの活動が子どもたちにとって光り輝く魅力的なものに見えれば,多少他のことを我慢しても喜んで取り組むでしょう。そういう準備,仕掛け,言葉かけを工夫すること,つまり「価値付け」ることこそが私たちが磨くべき教職員としての「基礎的・基本的な力」です。

似島小学校との交流学習

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 朝からの雨も上がり、暖かな好天の下で似島小学校との交流学習を行いました。
 今回は,本校が似島小学校に訪問する番でした。毎年取り組んでいるみかん狩り体験は,7月の豪雨被害の影響で実施できず,今年度はグラウンドゴルフ大会を計画していただきました。
 低学年と高学年でペアになり,一緒にラウンドしたチーム全体のスコアを競う形でしたが,感心したのは励ましや支えあいの言葉が大変多かったことです。
 「すごい,すごい。」「ナイスショット!」「惜しい〜」「大丈夫だよ。」ペアや友だちの失敗を責めるような言動は見られず,短い時間でしたが子どもたちみんなが笑顔で過ごすことができました。
 勝ち負けにこだわりすぎないようなゲーム形態,子どもたちの実態に合ったホール設定,支えあいの生まれるペアづくり,教職員の声かけや指示。このような場づくりが適切に配慮されていた結果だろうと思います。この日の天候と同じように終始穏やかな,子どもたち全員がいい顔で終わることのできる会でした。
 会を計画し,お世話してくださった似島小学校の皆さん,先生方,本当にありがとうございました。
 

ノーベル賞制定記念日

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 ノーベル賞。
 アルフレッド・ノーベルが莫大な財産を基に制定したこの賞は,世界中で最も有名な賞のひとつです。
 各賞はスウェーデンのストックホルムで授与されますが,平和賞だけはノルウェーのオスロで授与式が行われます。これは,長く戦争を続けた両国の和解と平和を祈念しているもので,スウェーデンにとって「敵国」だったノルウェーの首都オスロで,というのはアイデアだなと思います。
 「仲良くしましょう。」
 「相手の立場に立って考えましょう。」
 「お互いを尊重(尊敬)して。」
 口で言うのは簡単ですし,至極当たり前のことですが,感情的にはなかなか難しいことです。特に,国同士・地域同士というのは,個人の感情を超えた愛国心や地元贔屓が間に挟まって,容易に歩み寄ることはできません。それを「ノーベル賞授賞式」の分散開催という場を設け,融和させることによって,両国の平和のシンボルとしたのだそうです。
 具体物のやりとりで犬猿の仲を取りもった有名な事例としては,薩長同盟があります。飢饉に苦しんでいた薩摩は長州から米を,幕府の追討令で窮地にあった長州は薩摩を通して最新式銃や軍艦を融通してもらい,互いの敵対心を乗り越えようとしました。理屈で正論を並べ立てるよりも,相手を思う一粒の米が気もちを動かすものなのでしょう。
 教育活動の中にも正論が沢山あります。学ばなければならない知識・理屈も山のようです。それが身につくかどうかは,具体的な活動の工夫に因るものです。子どもたちの意欲が湧く学びの場を創り上げていきたいと思います。

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広島市立似島学園小・中学校
住所:広島県広島市南区似島町長谷1487
TEL:082-259-2311