最新更新日:2024/04/26
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〜行きたい学校 行かせたい学校 働きたい学校を目指して〜

私たちにできること

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校長室の大きな金庫の中には、学校で一番大切なものが入っています。それは、毎年この学校を卒業した人たちの名前が書いてある名簿です。すでに1万7千を超える人たちがこの学校で学びました、という証が残してあります。

ただ、残念ながら、この数字が本当なのかどうか、分かりません。それは、昭和20年より前の名簿がないからです。金庫にある一番古い名簿は、表紙に「昭和20年8月6日 戦災死亡者関係簿 観音国民学校」と書いてあります。
中には、「児童が朝礼を終え、教員の指導が始まったばかりの時爆発したので、一部の校舎内にいた児童は、崩れ落ちる校舎の下敷きとなった。太い木材が幾重にも折り重なり、下敷きとなった児童は身動きもできなかった。これを救出するには大きな労力が必要であり、時間的猶予もなく成す術がなかった。児童は父母を呼び、先生に助けを求めて泣き叫ぶのであるが、まもなく猛火に包まれてしまった。・・・」という原爆投下直後の記述があります。

校舎が燃え尽きたのですから、原爆投下以前の大事な卒業生の名簿は、燃えてなくなってしまったのでしょう。子どもの鳴き声や叫び声を聞きながら、校舎の下敷きになった子どもたちを、どうすることもできなかった先生たちの気持ちを思うと、たまらないものがあります。
当日亡くなった先生は12名、子どもは74名と書いてあります。

7月に、5・6年生に対して、ご自分の被爆体験をお話ししてくださった川本省三さんは、家を失い、親を失い、突然一人になった子どもたちが戦後どうやって生き抜いたかを、包み隠さず聞かせてくださいました。想像をはるかに超えた、生きざまに私も驚きました。この川本さんのように、たった一人で生き抜かなくてはいけなくなった子が、きっと南観音にもいたのではないでしょうか。みなさんと同じ小学生です。

平和とは、安心して当たり前の生活ができることです。
私たちには、核兵器をすぐに地球上からなくす力はありません。
小学生のみなさんにできることは、なんでしょう・・・
まずは、考え方も特徴も自分とは違う人がいることを受け入れること、相手を大事に思って、人の話をしっかり聞くことではないでしょうか。

さあ、教室を誰もが安心して生活できる平和なところにしていきましょう。自分たちにできる平和を、自分たちでつくっていきましょう。そうすることで、自分にできることを考え、行動する人になっていくはずです。

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広島市立南観音小学校
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