最新更新日:2024/05/20 | |
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平成28年度の始業を迎え
4月7日(木)、平成28年度が始まりました。
久しぶりに正門で登校する子ども達を迎えました。どの子ども達も、1学年進級し、「やるぞ!」という思いが表情に表れているように思いました。ほとんどの子ども達が、とても気持ちのよい挨拶をし、喜びと力をもらうことができました。今年度も、こんな素敵な子ども達と一緒に過ごせるのかと、嬉しくてたまりませんでした。 <始業式での話の概要> ********************************* 1学年ずつ進級した皆さんに、先ず、心からおめでとうを伝えたいと思います。そして、明日、入学してくる1年生を温かく迎えてくれること、1年生が素晴らしい神崎っ子になれるよう、上級生として、挨拶、返事、靴揃え、聞く態度、学ぶ態度など、よい模範を示してくれることを、期待しています。 少しの間、校訓「志高く美しく」について考えてみましょう。 皆さんは、大村智(さとし)さんを知っていますか。そう、昨年、ノーベル医学・生理学賞を受賞された方です。 日本で、二十三人目のノーベル賞受賞者です。なぜ「志高く美しく」についての話で、この方を取り上げたのか、考えながら聞いてください。 ノーベル賞受賞の理由となった大村さんの業績は、土の中にいる無数の細菌、微生物を調べ、目が見えなくなるなどの恐ろしい病気を引き起こす寄生虫の駆除に有効な物質を発見し、病気を治す特効薬をつくったことでした。 この薬は、目が見えなくなることや深刻な病気におびえる人々に光をもたらす「革命的な治療法」でした。 日本では、医師の診断と指示のもとに、薬を飲んでいますね。しかし、世界には、医師のいない村や、医師や看護師のいけないような村、薬の量を決めるために必要な体重計すらない村がたくさんあります。 しかし、この「魔法の薬」は、そんな村にも届けられているのです。 村の代表者、ごく普通のおじいさんやおじさんが、「この薬を一回飲んでください。」と、住民一人一人に薬を配っています。 なぜそんなことができるかというと、この薬が極めて安全な薬だからです。だから、医師でなくても、誰でも配ることができるのです。しかも、何回も飲むことで効果が出る薬がほとんどですが、この薬は年に1回だけ飲めばいいのです。 だから、世界中の人々が救われているのです。 それだけでも受賞に十分なことですが、大村さんは、この薬をアフリカや南アジアなどの最も貧しい地域の人々に、無償で提供できるようにしているのです。現在、三億人がその恩恵を受けていると言われ、毎年、四万人もの人を目が見えなくなることから救われています。 二○○四年九月にアフリカのガーナに行った時、たくさんの子ども達に囲まれ、「薬のおかげで、目が見えなくなることがなくなりました。」と笑顔の歓迎を受けました。 その一方で、大村さんは、こうして開発した26の新薬について、製薬会社と契約を結び、多くの収入を得ています。そして、こうして自分の働きで得た収益を、自分のものだけにすることなく、大学の研究費にしたり、北里研究所を再建したり、美術館を造って地域に贈られたりするなど、地域貢献に積極的に取り組んでいます。 大村さんは、これまでの研究人生を振り返り、「何か役に立つことはないかと絶えず考え、人の役に立つことをやりたいと思っていた。」と言われました。 大村さんのおばあちゃんから「人のためになることをしなさい」と言われ続け、分かれ道に立った時は、それを基準に考えてきたそうです。 同僚や部下の研究者には、「世のため人のためになる研究をしなさい。」「困っている人を助ける研究をしなさい。」「科学者は人のためにやらなければダメなんだ。人のためにやるということが大事。」と言い続けられてきました。 志とは何か、美しい生き方とは何か、大村さんの話を通して考えてみてください。 ********************************* |
広島市立神崎小学校
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