最新更新日:2024/06/13
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本校は、校訓「やさしく つよく まじめに」のもと、「心豊かでたくましく、平和を求める子どもの育成」を基調とする教育活動を推進しています。明治6年(1873年)に創立した歴史と伝統のある学校です。卒業生には、児童文学史に燦然と輝く鈴木三重吉氏がいます。

第139回卒業証書授与式

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 3月19日,61名の卒業生が巣立っていきました。私は,本校勤務が3年目。卒業生の4年生のときからの歩みを見てきました。幼かった子どもたちが,学校のリーダーとして頼もしく成長しました。卒業生には,これからの人生に幸多かれと祈るばかりです。以下,卒業証書授与式での式辞を紹介します。

【式辞】
 朝,校舎から臨んだ原爆ドームは,穏やかな春の日差しに照らされて,まるで,あの原広司さんの絵のように,全てを包み込む,優しく温かい色をしているように見えました。
 今日,この佳き日,61名の門出を祝う第139回卒業証書授与式を挙行できますことを心より嬉しく思います。
 保護者の皆様には,今日のお子様の様子に感慨もひとしおのことと拝察いたします。これまで,本校にたまわりましたご理解とご協力に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
 卒業生の皆さん,卒業おめでとうございます。
 今日は,新型コロナウイルス感染防止のため,参加人数を制限し,時間を短縮しての挙行となりましたが,本川小学校の先生たちで皆さんの門出を祝福して心を込めて準備してきました。
 皆さんが手にする卒業証書には,広島平和記念公園の「原爆の子の像」に捧げられた折り鶴を再生した用紙でつくられています。平和を願う世界中の人々の心が託されているのです。爆心地から最も近い本川小学校で,6年間,平和学習を重ねてきた皆さんには,その重みを実感することができることと思います。
 さて,卒業が近付いた2月,校長室の私の机上には,6年生の国語の教科書がありました。実は,教科書の中にある日野原重明さんの「きみたちに伝えたいこと」という文章を使って,皆さんに国語の授業をする予定でした。しかし,この度の臨時休業により,授業をすることは叶いませんでした。日野原さんは,「寿命」の話を通じて生きることの素晴らしさを伝えておられます。私は,「言葉」の話を通じて,これから新しい世界に向かう皆さんに願いを託したいと思っていました。
 言葉。私は常に,皆さんに「自分の言葉で平和の大切さを語ること」を求めてきました。ありふれた言葉ではなく,自分の心の震えを通して発する言葉,自分の学びの価値を実感して語る言葉には,強さがあります。こうした言葉は,人の心に響き,人の心を動かす力があります。
 原爆投下による悲しい歴史をもつ本川小学校。この学校から平和の大切さを発信するためには,当時の人々の悲しみや苦しみに心を寄せ,真に平和を願う強い気持ちをもち言葉を発する必要があります。皆さんは,6年間の学習の中で,平和を語る素晴らしい言葉の力を身に付けてきました。
 論語の中に,現代の言葉に訳すと「洗練された言葉や行動は華やかだけれども,内容が伴っていないと意味がない。礼節を身に付け,物事の内容の本質を心にとどめた人でありたい。」という意味の教えがあります。
「子曰く,先進の礼楽に於けるや,野人なり。後進の礼楽に於けるや,君子なり。もしこれを用うれば,すなわちわれは先進に従わんと」
 いつか,この教えに出合うことがあれば心にとめてほしいと思います。皆さんには,どうか,物事の本質を見極めて,自分の心を通して,体験を通して,重みのある言葉を発する人になってほしいと願います。
 その人の「言葉」は,すなわちその「人となり」です。
 さあ,卒業生の皆さん,出発です。皆さんが残した足跡は,ステージに置かれた校章旗にしっかりと刻まれ,これからも本川小学校に輝きます。本校の卒業生であることを誇りに,希望と強い意志をもち,中学校に進んでください。
 卒業生の皆さんの輝かしい未来に心からエールを送り,私からの式辞といたします。
    

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