最新更新日:2024/06/13
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子どもに自己実現力を

緊張感

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 早朝,小富士の稜線が碧空に映えています。
 空気の澄んだ気もちのよい季節になりました。雲もない青い空を見ていると地上での出来事が小さなことのように感じてしまいます。
 しかし,今夏も想定外の水害や風害,痛ましい火災や交通事故など,心を引き千切られそうな多くの出来事は決して小さなことでもなければ,心から消え去るものでもありません。この島も昨年の土砂災害で大きな被害があったばかり。あちこちにある傷跡は,簡単には癒えません。
 
 昨日,地震・津波の避難訓練を行いました。広島市で唯一,瀬戸内海の小島にある似島小学校・似島中学校と本校は津波の心配が大きな学校です。広島市のハザードマップでは液状化の危険地域にも挙げられています。考え得る様々なケースに応じて,限られた条件の中で最善の対応を探りながら訓練を行っています。
 避難訓練のとき常に意識しているのは,ひとりの人間として個人として可能な災害対応とは何か,ということです。子どもであれ大人であれ,自分の意志で活動することのできる者に必要なのは「緊張感」だと考えています。
 社会的な生活を営むことが最も大きな特性である人間は,自分のテリトリー,つまり家庭を一歩出た瞬間から大なり小なり緊張感をもって過ごしています(家庭には家庭の緊張感がありますが,家庭外のそれとは大きく異なるのが一般的でしょう)。それが公共性であり,様々な道徳性,規範意識などと呼ばれているものでしょう。学校は人間が幼い時期から社会性の中で緊張感とその持続を学ぶことができる機関であり,集中力とか忍耐力という言葉で評価されています。
 避難訓練というのは災害に対応する際の緊張感を意識し,高め,持続するスキルを高める場だと考えています。「おはしも(おさない,はしらない,しゃべらない,もどらない)」で表される心構え,東北で言い伝えられる「津波でんでんこ(津波のときは互いを信じ,それぞればらばらで構わないから自分の身を守る,逃げる,みんな逃げていると信じる)」など,様々な教訓があります。全ての指導は緊張感を高め,例え想定外のことが起きても指示を聞いたり,冷静に判断したりすることができるためになければならない。本校に赴任して強くそう考えるようになりました。
 避難訓練の振り返りの中で,子どもたちには,「緊張感」を身に付け,持続する力が人として生きていく上でとても大切なのだということ,日頃の授業態度,教室移動,式や行事などへの取組など,学校生活でのいろいろな場面で緊張感をもって過ごす練習ができることを話しました。

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広島市立似島学園小・中学校
住所:広島県広島市南区似島町長谷1487
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