最新更新日:2024/05/16
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子どもに自己実現力を

努力の価値

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 「驚異の小宇宙 人体」
 言わずと知れたNHK制作のヒット番組です。見ていらっしゃる方は多いと思います。最初の放送は平成元年の6回シリーズで,VHSビデオテープに録画して何度も見たことを思い出します。シリーズ化され,先日新シリーズが放映されました。「遺伝子」についての最新科学について,鮮やかな顕微鏡画像やCG画像を駆使し,山中伸弥教授が大変分かりやすく解説されました。
 これまで,DNAのうち,いわゆる「遺伝子」と呼ばれる2%以外の部分は「ごみ」だと考えられていたのですが,実は「遺伝子」の能力・情報を発動させるスイッチが,その「ごみ」と考えられていた98%の中にある,言わば「宝の山」だった,ということに感慨を深くしました。
 定説や常識を疑い,98%の「ごみ」の中から新たな発見を導き出した科学者には敬服するばかりです。加えて,私たちが感覚的・経験的に子どもたちに指導している「努力」の大切さが,科学的に裏付けられたのだと思いました。

 私たち人類が両親から受け継いだ「遺伝子」には,必ず70カ所程度の突然変異が起きるそうです。つまり,誰にでも両親や祖先から受け継いだわけではない,思いがけない資質や能力,特徴が備わっているわけです。勿論,両親や祖先から引き継いだ力もあります。いずれの力もそれが発動するかどうかは,98%の「ごみ」の中にある,DNAの「起動スイッチ」をONにすることができるかどうかにかかっているというのです。
 つまり,「起動スイッチ」をONにするための刺激が「努力」ということなのです。肉体的・精神的鍛錬や訓練,生活リズム,食事。どういう「努力」の要素がどの「起動スイッチ」に関係しているのか,まだ一部しか分かっていないそうですが,私たちが感覚的・経験的に取り組んでいる内容の中にも,必ずその答えはあるのでしょう。
 イチロー選手(私の中では現役)の「天才」は,自身の感覚や経験の中から,自分の起動スイッチの入れ方をつかんでいて,ONにするための「努力」を妥協することなく継続できることだと考えます。
 「努力」には価値がある。そして,経験的・観念的に言われていたことを裏付ける科学的な根拠が見つかった。とても嬉しい瞬間でした。

 科学も努力も万能ではないかもしれません。しかし大変素敵なものです。

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