最新更新日:2024/05/16
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子どもに自己実現力を

3月18日(金) 卒業証書授与式

令和3年度卒業証書授与式

校長先生の式辞

 コロナ禍の令和三年度,本日,小学校,中学校生活のしめくくりである卒業の日を迎えました。「皆さん,ご卒業おめでとうございます。」

 皆さんが手にした卒業証書は,平和公園の「原爆の子の像」に国内外から捧げられた折り鶴の再生紙で作られているもので,皆さんが広島で育った子どもでもあり,しかも似島学園小学校,中学校で学んだ証でもあります。今の気持ちとともに大切にしてください。また,いくつもの日を重ねて,今日こうして無事晴れの卒業の日を迎えることができるのは,皆さん一人一人のがんばりは勿論ですが,皆さんを取り巻く多くの人々の支えがあったことを決して忘れてはなりません。

 さて,今年になっても新型コロナウイルス感染者の人数は,未だ衰えるところを知らず,先行きがなかなか見通せない中にあって,この壁と向き合い未来を切り開いて行く君たち卒業生に,次の言葉を贈ります。

 「やるべきことをやらない自分の弱さには負けないこと。そして,最後まで諦めなければ夢はかなう」です。

 本年度,夏にあった東京オリンピック,ソフトボールの決勝でアメリカに勝ち,金メダルを手に入れた上野由岐子投手の言葉です。
 上野選手は世界レベルのコントロールとスピードによって,金メダルを獲得しました。しかし,容易く得たものではないのです。その一つに次のような秘話があります。それは,二〇〇八年に行われた北京オリンピックの時,百二〇Kmに迫る剛速球を投げ,試合の一日目が終わった時には,中指の皮がはがれ落ちていたそうです。しかし,他のチームメートに心配をかけてはいけないと思い,内緒にして,痛さをこらえて,その後の試合に臨んでいたというのです。

 痛さをこらえて投げ続けた精神力はもちろん凄いのですが,同時に,上野選手自身が,目標を達成するために,今行わなければならない非情なまでの行動を,もう一人の自分から,自分を見つめ,判断し,実行したことが凄いと思うのです。おそらく,今まで,様々な試練があり,自分の弱さと戦ってきた上野選手の生きざまも見えてきます。

 「自分の弱さに負けない」こと を自らに課す生き方,もう一人の自分から,自分を見つめる力があったからこそ,オリンピックで金メダルを獲得し,夢をかなえることができたのではないかと思うのです。

 もう一人の自分から自分を監督する,つまり自分を律する生き方,自分で決めた目標やルールを厳しく守る生き方,努力することにより,私たちは夢や希望をつかみ取ることができるのではないでしょうか。

 しかし,時には,努力しても,報われないこともあります。たとえ良い結果がすぐに出せなくても,努力したことは自分の中で消えることはありません。どのような経験も決して無駄にならず,いつかどこかで役に立ち,自分の未来の大きな力になるものです。

 高いところからではございますが,保護者の皆様,本日はお子様のご卒業おめでとうございます。これからも,お子様の健やかな成長とご多幸を,教職員一同心よりお祈りいたしております。これまでのご支援・ご協力に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。

 それでは,卒業生のみなさん,最後まで夢を諦めず,やるべきことをやらない自分の弱さに負けない気持ち,もう一人の自分から,自分を見つめることを大切にして,自分の未来に向かって努力してください。

 卒業生の栄えある門出と限りない前途を祝し,式辞とします。 

 令和四年三月十八日
 広島市立似島学園小学校
 広島市立似島学園中学校
 校長 井上浩和

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広島市立似島学園小・中学校
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