最新更新日:2024/06/06
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学校教育目標「ひとりひとりがたからもの」日々宝物の子どもたちの成長のため,子ども達自身も教職員も皆様のお力を借りながらがんばっています!!

後期始業式 学校長の話

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 今日から後期が始まります。気持ちを新たにし,このことをがんばるぞ,と自分の目標を持って,またがんばっていって欲しいと思います。
 ところで,みなさんは,「ノーベル賞」という言葉を知っていますか。
 最近,テレビのニュースで見た,という人もいるかもしれません。ノーベル賞というのは,いろいろな分野で世界的に大きな功績を残した人に与えられる賞で,世界で最も有名な賞と言っていいでしょう。今年は,残念ながら,日本人の受賞者はいませんでしたが,これまでに,日本人は28人が受賞しています。
 ところで,日本人で初めてノーベル賞を受賞した人は誰か,知っていますか。
 答えは,この人,湯川秀樹博士です。湯川博士は,「中間子の存在の予想」という研究により日本人初のノーベル物理学賞を受賞した人物としてあまりにも有名です。今日は,この湯川博士のお話をしたいと思います。
 ここは,京都大学です。湯川博士は,この京都大学出身なのですが,この京都大学には,「湯川さんの質問」という言葉があるのだそうです。
 湯川博士は,おじいさんになっても,母校である京都大学で開かれる若い研究者たちの発表会に積極的に出席していたそうです。まわりの学生は,小さな体でちょこんと座る老人が,まさかあの湯川秀樹だとは気がついていません。学生の発表が終わると,湯川さんは積極的に手を挙げて質問をしたそうです。
 面白いのは,その質問内容です。さすがはノーベル賞受賞者で,ものすごく鋭いのかと思いきや,これがかなりトンチンカンなものだったと言うのです。すでに年老いた湯川さんにとっては,学生たちがみんな分かっているようなことが分からなかったのかも知れません。学生が,
「えっ,そんなことを聞くの。」
と思うような質問を,平気な顔で聞いたそうです。湯川さんにしてみれば,分からないことは聞かずにはいられなかったのでしょう。
 ところが,そんな誰にでも分かっていたはずのことも,改めて聞かれると,
「あれ,そう言えばどうなんだろう。」
と考えさせられます。「分かっていた」のではなく,「分かったつもりになっていた」と気づかされるのです。そして,湯川さんの,この一見トンチンカンな質問が,新たな研究へとつながることも多かったのだそうです。
 これが,京都大学で語りつがれる「湯川さんの質問」というエピソードです。ノーベル賞を受賞したからといってふんぞり返っていばるわけでもなく,子どものような好奇心で質問する湯川さんも,それを聞き流したりせず,ちゃんと受け止めた発表者の人たちも,どちらもとても素晴らしいと思うのです。
 みなさんも,湯川さんのように,まちがいを恐れず自分の考えを思い切って言葉にしたり,それを聞いた周りの人たちのように,しっかりと耳を傾けたりしていってほしいと思うのです。そうすれば,毎日の学習ももっともっと深く,そして楽しいものになっていくと思います。このことを,ぜひ頭の中に置いておいてください。
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広島市立湯来南小学校
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