最新更新日:2024/06/14
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平素から本校の教育活動にご理解とご協力を賜り誠にありがとうございます。学校教育目標「『未来の創り手』となる児童の育成」の達成のため教職員一同、取組を推進していきますので、ご理解とご支援のほどをよろしくお願いいたします。

牛田の昆虫たち…に寄生する 〜ハリガネムシ〜

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先週の大休憩、1年生がミストシャワーの下にできていた水たまり(上の写真)でハリガネムシを見つけました。乾くと針金のように固くなることが、ハリガネムシという名前の由来です。ムシとつきますが、昆虫ではなくカマキリやカマドウマ、バッタなどの寄生虫です。以前、飼育したことがあるのですが、雄と雌だったのか絡まり合いながら過ごす姿が見られました。触ると柔らかいのか固いのか、よくわからない不思議な感触です。

このハリガネムシは、カマキリの中でも特にハラビロカマキリに寄生することで知られています。先日、5年生とハラビロカマキリの卵が入っていた卵鞘(らんしょう)を見つけたので、ハラビロカマキリから出てきたものかもしれません。

下の写真は、ヒメカマキリから上手く出られなかったハリガネムシです。2014年の標本です。今回、1年生が見つけたハリガネムシも、実は水たまりが乾きかけ、動きがにぶくなっていました。すぐに水につけたのですが、そのまま亡くなってしまいました。無事に川や池などの水の中まで行き着くハリガネムシは、そんなに多くないのかもしれません。なぜなら、ハリガネムシは、水中で交尾して産卵し、卵からかえった後にユスリカやカゲロウなどの水生昆虫に食べられることで、まず、水生昆虫に寄生します。次に、その水生昆虫が成虫となった後、カマキリやカマドウマなどに食べられることでそれらに寄生し、そのお腹の中で大きくなります。そして最後に、カマキリなどの宿主を水辺へと誘導することで、ようやく水の中へ脱出することができるからです。

カマキリは食肉性昆虫で、昆虫界ではライオンのような存在です。そのカマキリからハリガネムシが出てくる場面に遭遇すると、驚くとともにカマキリがかわいそうになってしまうかもしれません。しかし、このハリガネムシは、生態系において、なかなかいい仕事をしています。水辺へと誘導された宿主たちは、川や池に落ちると、そこに棲んでいる魚たちの餌になります。すると、魚の餌となる水生昆虫たちへの摂食が少なくなり、水生昆虫の数が保たれます。この地球上の生き物たちは、みんなどこかでつながりあっていて、食う食われるの関係を通してバランスを保ちながら生きているのです。ハリガネムシを含め、どんな生き物もみんな大切なのです。
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広島市立牛田小学校
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