最新更新日:2024/04/27
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教育目標「夢や志をもち,ともに未来を切り拓く江波っ子の育成」

第122回卒業証書授与式「おめでとうございます」

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本日、第122回卒業証書授与式がありました。卒業生100名全員に一人一人卒業証書を授与しました。
3年ぶりに来賓の皆様にもお越しいただきました。
卒業生保護者の皆様には、時間を短縮して行った、今回の卒業証書授与式にご理解・ご協力をいただき、誠にありがとうございました。
また、1〜5年生保護者の皆様には、短時間の登校にご理解・ご協力いただき、誠にありがとうございました。
おかげをもちまして、無事、卒業証書授与式を行うことができました。
贈る言葉では次のような話をしました。

【贈る言葉】

やわらかな日差しに、桜のつぼみもふくらみ始め、春の訪れが感じられる季節となりました。このようなよき日に、たくさんのご来賓の皆様、保護者の皆様のご臨席を賜り、第122回卒業証書授与式が挙行できますことを心より感謝申しあげます。

先程、卒業生の皆さん一人一人に卒業証書を授与しました。皆さんのしっかりとした態度、はっきりとした返事、私はとても嬉しく、誇りに思います。
小学校の全課程を修了し、江波小学校を旅立つ皆さん、卒業おめでとう。
この卒業証書には、六年間の皆さんの努力とともに、これまで温かく見守ってくださったご家族や地域の方々、教え導いてくださった先生方の深い愛情が込められています。
また、この卒業証書は、平和記念公園の「原爆の子の像」に捧げられた、折り鶴の再生紙で作られています。
広島で育ち、広島の小学校で学び成長した皆さんには、この「折り鶴再生紙」の卒業証書に込められた、多くの人々の平和への願いをしっかり受け止めてほしいと思います。

さて、卒業生の皆さん、皆さんは、この江波小学校で、一人一人が日々努力し、友達と学び合い、認め合い、高め合い、たくさんの力を付けてきました。
4年生からの3年間は、新型コロナウイルス感染症対策を取りながらの学校生活となりました。この間、長期にわたる臨時休校、そして分散登校も経験しました。様々な制約のある、我慢の学校生活となりました。マスクを着けて過ごす3年間でした。
そのような中でも皆さんは、明るく前向きな気持ちをもち、江波小学校のリーダーとして、クラブ活動、委員会活動をはじめ、様々な場面で、先頭に立って下級生をリードする、頼もしく、そして優しい最上級生でした。

1年生と目線を合わせ、折り鶴を折ったり、一緒に給食当番や掃除をしたり、優しく声をかけながら、外で一緒に遊んだりしていた姿を思い出します。
運動会での「旗鼓堂々」。一糸乱れぬ旗の動き、そして、グループの友達と一緒に考えた創作ダンス、皆さんの演技が会場全体のみんなの心を一つにして大きな感動を与えたことも思い出します。
日々の授業や、生活の中では、自分とは違う友達の考えを受け入れながら話し合ったり、優しい声を掛け合ったりするなど、友達とよい関係を作っていました。誰から見ても、手本となる素晴らしい6年生でした。

皆さんの言動、そして、身をもって示してくれた、江波小学校の最上級生としての姿は、この卒業式には参加できませんでしたが、5年生のみなさんがしっかりと受け継いでくれるはずです。

さて、皆さんが生きていくこれからの時代は、どのような時代がやってくるのでしょうか。様々な技術が進歩し、人工知能がこれまで以上に発達し、人類がこれまでに経験したことのない急激な変化、そして予測のできない時代が訪れようとしています。厳しい挑戦の時代を迎えると予想されています。
そのような時代を生きるためには、どのような力が必要なのでしょうか。「様々な変化を乗り越える力、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会を作ることができる力、そしてたくましく強い力」が必要だと言われています。
確かに、このような力をつけることは大切なことであり、目指すべきだとも思います。しかしながら、冷静に考えると、とてもハードルが高く、みんながみんな、そのような力を十分に持てるわけではありません。
では、それができない人は駄目なのでしょうか。決してそんなことはありません。強い人間を育てることだけが大切なことではありません。人の弱さや痛み、悲しみをわかる力、人の気持ちに寄り添える力、人を思いやる力、人とよいかかわりをもてる力、どんな時代が来ようとも、これらが、人として、大切なのではないかと思います。強い力だけではなく、優しい力も必要です。

これから、2つの話をします。
1つ目のお話は、新聞のコラム欄の記事に載っていた、ある電車の中での話です。
その電車にはたくさんの人が乗っていてとても混雑していました。立っていたおなかの大きい妊婦さんらしい女性に、座っていた高校生が「次の駅で降りるのでどうぞ」と席を譲りました。そして、しばらくして電車は次の駅に到着しました。扉が開くとその高校生は、その電車から降りました。そして、別の扉から同じその電車に乗りました。というお話です。

なぜ、この高校生は、いったん電車から降りて、別の扉からもう一度同じ電車に乗ったのでしょうか。おそらく、席を譲って女性の前に立っていると、席を譲られた女性が気を遣うだろう。と考えたのではないかと思います。女性に気を遣わせまいと思い、「次の駅で降りるのでどうぞ」と小さな優しい嘘をついて、その嘘がその女性にわからないように、次の駅で降りるふりをして、見えない場所の扉からもう一度電車に乗ったのではないかと思います。

2つ目のお話です。これは、私が実際に見た話です。1月に人間ドックに行きました。人間ドックというのは体の検査をすることです。その日の朝ご飯は食べずに検査に行かなければいけません。検査が昼前に終わったので、近くの喫茶店に遅い朝ご飯を食べに行きました。
そこには私の他に女性のお客さんが一人いました。しばらくするとその女性のテーブルに、うどんが運ばれてきました。うどんを食べ始めて少し時間が経った頃、その女性は「レンゲってないんですか」とお店の人に聞きました。うどんの汁をすくうのにレンゲを使いたかったようです。お店の人は、少し戸惑った表情をして、「レンゲですか?ちょっと待ってください。」と言って、奥に取りに行き、「お待たせしました、レンゲです。」と女性に渡しました。そして、そのお店の人は、「レンゲがあったほうがいいですね。言ってもらってよかったです。」と笑顔で女性に話しました。

ではなぜこのお店の人は、「言ってもらってよかったです。」と言ったのでしょうか。
このお店の人は、「レンゲってないんですか。」と言った女性が、今、どんな気持ちなのかをいろいろ想像したのではないかと思います。「レンゲですか?」と戸惑って返事をしてしまったので、もしかしたらこのお客さんは、「うどんなのにレンゲを頼んでおかしいことを言ったのだろうか」「文句を言ったみたいに思われたのだろうか」「変なことを言ったのだろうか」と思っているかもしれない。そうであればこのお客さんに気持ちよくレンゲを使ってもらうことができない。どうしたらよいのだろうか。どんな言葉をかけたらよいのだろうか。といろいろ考えて「レンゲがあったほうがいいですね。教えてもらってよかったです。」という言葉を言ったのではないかと思います。「教えてもらってよかったです」の一言で、このお客さんは、「自分は変なことを言ったわけではない」と思うことができ、気持ちよくレンゲを使うことができたのではないかと思います。

この、電車で席を譲った高校生と、「教えてもらってよかったです。」と言ったお店の人に共通することは、自分が言った言葉や、とった行動で、相手が今どんな気持ちなのか、どう受け止めているのかを想像し、そして、相手に気を遣わせたり、相手が嫌な気持ちになったりしないようにするには、自分はどうしたらよいのだろうかと考えて、言葉にし、行動していることです。

このように相手の気持ちを想像したり考えたりすること、人を思いやったり、寄り添そったりすることは、どんな時代になろうとも、人として、大切なのではないかと思います。
今、ここにいる卒業生の皆さんは、このコロナ禍で苦しい時期を一緒に過ごし、支え合った仲間です。卒業後も、一緒に過ごした仲間を大切にし、相手を思いやり、相手に寄り添い、お互いに優しい関係を作っていってほしいと思います。

保護者の皆さま、本日は、お子さまのご卒業、誠におめでとうございます。私たち教職員は、微力ながらも六年間、お子様の教育に携わってきました。行き届かない面もあったことと思いますが、長きに渡り、本校の教育にご理解、ご協力いただきましたことに、深く感謝申し上げます。
手塩にかけて育てられたお子様の、今日の晴れ姿に、6年前の入学の日の幼い姿も重なり、お喜びや感激もひとしおのことと思います。
これまでの6年間、様々なことがあったと思います。どのような時にも、保護者の皆様は、必ず子どもの味方になり、励ましていただいたのではないかと思います。この安心感の中で子どもたちは大きく成長することができました。これからも温かく、時には厳しく、子どもたちの成長を見守っていただきますよう、お願い申し上げます。

ご来賓の皆さまには、日頃から子どもたちのために、それぞれのお立場から、多大なるお力添えを賜り、誠にありがとうございます。
次の世代を担う江波の子どもたちを、今後も温かく見守っていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

卒業生の皆さん。皆さんの前にはたくさんの可能性が広がっています。優しさを大切に、自信をもって堂々と歩んでください。
皆さんの未来が、光り輝くことを心からお祈りし、贈る言葉といたします。

         令和5年3月20日
         広島市立江波小学校長 阪田 淳二

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年間行事予定
3/22 1〜5年個人懇談(あゆみ渡し)
3/23 1〜5年個人懇談(あゆみ渡し) 1〜5年給食終了
3/24 修了式
修了式・離退任式 机・椅子移動(4・5年生)

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