G Wの連休が明け、待ち望んでいた学校生活が再開すると思っていたところ、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための休校措置が延長になってしまいました。
活動的な子どもたちにとって、自粛生活を続けることは、ストレスも溜まってくるということになります。保護者の皆様も、先の見通しが立たないこと、子どもの見守りと仕事の負担、経済的な影響など、大きな不安やストレスを感じておられるかと思います。
また、テレビなどでも毎日ウイルスの広がりについて報道されており、精神的に動揺しているお子さんもおられるかもしれません。そこで、ご家庭でもお子さんのストレス反応がどんな状態であるか観察してみてください。
◆一般的な子どものストレス反応
<気分の症状>
・抑うつ感
・不安感
・イライラ
・急に泣いたり怒ったりする
・笑わなくなった
・気力の低下
<身体的症状>
・頭痛・腹痛
・めまい
・下痢・便秘
・睡眠や食事のリズムが崩れる
・食欲の低下・増加
・疲労感の持続
<行動の症状>
・そわそわして落ち着かない
・おねしょや指しゃぶりなどの退行
・いつもしていたことができなくなる(ひとりで寝る、宿題するなど)
・親と離れることや、ひとりでいることを極端に嫌がる
・甘えやわがまま、ぐずぐず言う
・反抗が強くなる
・言動が攻撃的になる
・無口になる
いつもより、ぐだぐだ言うことが増えてきたり、ベタベタまとわりついていたりすると、鬱陶しくなってつい、「何やってんの!」と振り払ってしまいがちですよね。でも、こんな行動を「ストレスのサインかな?」と思うだけでも、対応が効果的なものにできます。
◆ご家庭でできること
<安心できる環境づくり>
・親や大人が子どもを守っていると言うことを行動や言葉で伝える
・言葉だけでなく「いい気持ち」の増加につとめる
(子どもと過ごす時間やスキンシップを増やす、好きなおかずを作るなど)
・テレビ報道などに必要以上にさらさない
・普段の生活のリズムをキープする
・必要に応じて、一時的に期待度を下げる
(家庭学習やお稽古ごとの練習の量などの調整)
<オープンな話しやすい環境づくり>
・繰り返し聞いてくるのは不安感の表れ
・気持ちを受け止めて共感・受容
「うん、怖いね」「そう感じるのは自然なことなんだよ」
・質問に答えられるように準備しておく
(憶測でなく事実を簡潔に)
・「どうしてそう思う?」などと聞いて、子どもの思考プロセスを理解する
・話したままで終わらずに人の力強さ・回復力も強調する
・子どもが望めば何かできることをさせる
(会えないお友達や先生に手紙を書く、連絡をとってみるなど)
ストレスをため込まないようにするには、家族以外の友人、親戚など社会的な繋がりを維持することが大切だと言われています。スクールカウンセラーは、休校中であっても通常の勤務をしております。お子さんの様子で気になること、対応に困るようなことがあったら、お気軽にご相談ください。
なお、ご相談に来られる際は、マスクの着用、手指消毒をしていただきますようご協力お願いいたします。
*この資料は、ニューヨーク日本人教育審議会教育相談室の資料を引用して作成しました
広島市立中野東小学校
スクールカウンセラー 下井奈美