広島市立幟町中学校

葉月の窓

 暦の上で秋に入ったとはいえ、残暑の厳しい毎日です。
 みなさま、おかわりないでしょうか?
 引き続き、本校Webページをご覧くださり、ありがとうございます。

 今年は、8月5日(月)、最年少の被爆体験伝承者である、増本夏海さん(20)を講師にお招きして「全校平和集会」を開きました。
 講話では、増本さんが受け継いだ岸田弘子さん(84)の記憶を、「弘子ちゃん」の物語として、在校生に語ってくださいました。基町高校生が描いた「亡くなった赤ん坊を背負った母親」や、岸田さんご本人が描かれた「黒い雨に打たれたトマト」などの絵を示しながら、当時5歳の少女の瞳に映った「あの日」を、わかりやすい言葉で伝えてくださいました。
 増本さんは、講話の終盤で「平和とは何でしょう」と問いかけ、「私たちは平和の中で生きている」「戦争を知ること、伝えることが大切」「出来ることからしていきたい」という平和への強い思いを話してくださいました。
 また、講話後の懇談会では、生徒の質問に一つ一つ丁寧に答えてくださり、平和の実現のため行動する生徒たちを励ましくださいました。次の時代を担う若者の言葉によって蒔かれた種が、中学生たちの胸の中で芽吹き、育ち、次の行動へとつながることを期待しています。

 その他、この夏休みは、多くの卒業生が幟町中学校を訪れてくださいました。

 まずは、高校生のみなさん。それぞれが、勉強や部活動に励む様子を聞きました。特に嬉しかったのは、帰入国教室の卒業生が、日本の高校でしっかりと学習して、単位や資格を取ったと笑顔で話してくれたこと。大学生や社会人になったみなさんも、近況報告や、来年度の教育実習の申し込みに来てくださいました。
 それから、中学生の親になったという卒業生の方が、平和学習のため、県外からお子さんを連れて、母校を訪ねて来られました。平和モニュメントや被爆樹木等を見学したり、親子で平和メッセージを書いたりして、幟町中の平和学習を体験して帰られました。
 その他、50年以上前に卒業生された方々が同窓会を開くために来られたり、別の同窓生の方が校歌の歌詞を調べに来られたりもしました。
 そして、なんと、70年前に卒業なさった方からも、ご連絡をいただきました。
 昔、玄関にあった数十年から100年に1度花を咲かせるというリュウゼツランに関するお問い合わせでした。残念ながら、すでに、株はなくなっているとお伝えしたところ、「禎子さんの碑をつくる運動をしたこと」「仲間とさまざまな行事をして学校が楽しかったこと」「授業が2部制であったこと」などお話ししてくださり、最後に『広島を離れて長い年月が経ちましたが、今でも中学時代を思い出します。幟町中学校の末永い発展をお祈りします。』とエールを送ってくださいました。
 9月の「幟町体験」では、授業や部活動等を通して、在校生の学ぶ姿、チャレンジする姿を児童のみなさんに見ていただきたいと思います。
 歴代の卒業生に、愛され、慈しまれてきた幟町中の校風を、これからもしっかりと受け継いでまいります。




 次回は、長月の窓を開きます。

            令和6年8月 学校長より



【学校長より】 2024-09-08 13:51 up!

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