平成25年11月 1日 
 第5学年保護者の皆様
                              広島市立安西小学校
                              校 長 高 本 正 子
 
平成25年度「基礎・基本」定着状況調査の結果について
 
 保護者の皆様には,平素より本校の教育活動にご理解・ご協力をいただき,心より感謝申しあげます。
 さて,広島県教育委員会は,「読み・書き・計算」などの基礎的・基本的な内容の定着状況や思考力,表現力などの状況の把握及び,生活や学習に関する意識・実態を把握するために,去る6月11日に県下の小学校5年生と中学校2年生を対象に,その状況調査を行いました。本校の5年生の児童もこれに参加し,「国語」「理科」「算数」「生活と学習に関する実態調査」に取り組みました。得られた調査結果を以下のように分析し,本校の課題を明確にして,今後の指導に反映させていきたいと思っております。
 
1.国 語








 
  広島県 広島市 安西小
教科全体 70.1 66.0 65.7
聞くこと 84.5 80.0 84.5
書くこと 73.4 68.8 66.1
読むこと 74.2 72.3 73.0
言語事項 77.1 72.8 70.9
読むこと・

書くこと

38.2
 

33.8
 

34.1
 

  昨年度まで本校で取組を進めていた成 果もあり,「聞くこと」の領域について は広島県の平均と同値でした。しかし, その他の領域については広島市の平均は 上回ったものの,広島県の平均を大きく 下回る結果となっています。 
 
  「書くこと」の領域では,文章の推敲
                      の仕方を問う問題や,接続詞を入れて文を二つに分ける問題の正答率がとても低かったです。
 「言語事項」の領域では,漢字の読み書きやローマ字の読み書き,主語と述語の関係を問う問題の正答率がとても低かったです。
 これらの結果を総合的に見てみると,漢字の読み書きや主語と述語の関係の理解,接続詞の役割の理解やその使い分けなど,国語の基礎となる力の不十分さが「書くこと」や「読むこと」に影響していると考えられます。
 これらの結果から,次のようなことに重点をおいて今後の学習指導を行っていきたいと考えています。
 ・日記や作文などの中で漢字を使いながら覚えることや,辞書を活用して語彙を増やす  学習を積み重ねる。
 ・国語の時間だけなく様々な学習活動の中に書く活動を意図的に設定し,書く機会を増  やす。また,児童の文章を丁寧に添削していきながら,主語と述語の関係や接続詞の  正しい使い方,効果的な段落構成などについて細かな指導を重ねていく。
 
2.算 数








 
  広島県 広島市 安西小
教科全体 69.8 66.7 75.2
数と計算 84.3 81.9 87.0
量と測定 60.4 56.3 62.1
図  形 55.9 50.6 62.5
数量関係 69.4 66.8 75.9
量と測定・

数量関係

68.1
 

66.4
 

72.4
 
  算数はすべての領域において広島県・ 広島市の平均を上回る結果でした。特に
 基本的な四則計算の正答率が高く,計算 の技能がしっかりと身についています。
  正答率が低かった問題としては,長方 形や正方形を組み合わせた複合図形の面 積を求める問題や正方形の定義を答える

 問題がありました。
 これらの結果から,次のようなことに重点をおいて今後の学習指導を行っていきたいと考えています。
 ・これまでの四則計算を拡張させ,小数や分数の四則計算の技能も確実に身につけるこ  とができるよう,計算練習タイムを設けたり,家庭学習の内容を工夫したりする。
 ・問題解決型の授業展開の中で,児童一人一人が試行錯誤しながら自分の力で問題を解  決する経験を重ねる中で,考える力を伸ばしていく。
 
3.理 科





 
  広島県 広島市 安西小
教科全体 61.3 57.9 62.4
生  命 75.3 74.1 76.4
エネルギー 52.9 47.7 58.9
地  球 55.8 52.4 52.8
物  質 60.1 56.0 59.3
  理科は「生命」「エネルギー」「物質」 の領域において広島県・広島市の平均を 上回りましたが,「地球」の領域におい て広島県の平均を下回りました。
  正答率の低かった問題に共通するのは,
 現象が起こる理由を記述する問題という
                      点でした。ある条件下でどのような現象が起こるのかについては理解できているものの,その原因が何なのかについては理解が十分ではないことが分かりました。また,児童一人一人の解答内容を分析してみると,必要となる用語がきちんと使えていなかったり,文章を書く力が不十分なために意図が伝わらなかったりしていることが分かりました。
 これらの結果から,次のようなことに重点をおいて今後の学習指導を行っていきたいと考えています。
 ・「課題をつかむ」「予想を立てる」「検証(実験)方法を考える」「検証(実験)する」  「まとめる」という問題解決型の授業を展開する中で,それぞれの活動のつながりを  意識して学習するようにする。
 ・話し合いやノートへの記述など,言葉で表現する活動を積極的に取り入れる。
 
3.生活と学習に関する実態調査
 「生活と学習に関する実態調査」では,領域が多岐にわたっており,多数の調査項目がありましたが,本校児童の全般的な傾向は次のようなものであると考えられます。
 毎日の起床・就寝時刻がほぼ決まっていたり,毎日朝食を食べたりするなど,家庭での生活習慣はほぼ身についています。また,物事に対する達成感が高く,将来の目標を持っている児童も多いです。
 一方で,予習・復習といった家庭での学習習慣はあまり身についていないようです。また,自分の思いや考えを自分の言葉で相手に伝えることに消極的な児童も多いようです。様々な場面で自分を表現し,それを他者から認められる経験を積んでいくことで,自己肯定感を高めていけるよう指導していく必要があると考えています。 
 具体的には以下の取組を通じて,児童のより良い成長を目指していきます。
 
 @「基礎・基本を生かして 主体的に考え 表現する子どもの育成」をテーマに,算数科  の授業改善に取り組む中で,これまでに学習した内容を生かして自分の考えをしっか  りともち,それを他者に分かりやすく伝える力を育成していく。その考えを学級全体  で共有していく中で,自分の考えを大切にしていく心や友達を大切にしていく心を耕  していく。
 
 A縦割り掃除の取組を通して,学年に応じた責任をもたせ,それを達成させていくこと  や,高学年を中心に互いに声をかけ合いながら心を高め合っていく活動を進めていく。