正門を乗り越え流れ込んでくる濁流、園庭は一面海のようになり保育室の中には泥水…西日本豪雨翌日、矢野幼稚園の景色は一変していました。水が引くと、園庭の土砂は１ｍを越え、あちこちに瓦礫が散乱し、川沿いのフェンスは無残に壊れ、前の道には水がゴウゴウと流れています。被災したのだということを強く実感し、ただただ子供たち、ご家族の皆様にケガがなかったことに感謝しました。
　でも、落ち込んでいる訳にはいきません。ここは、子供たちの大切な場所です。この日から、土砂との格闘が始まりました。心が折れそうになったとき「一緒にやるよ。」「手伝いますよ！」と訪ねて来てくださった方々にどれほど勇気付けられたことか。暑い中、一緒に重い土砂を掘り、泥まみれの遊具を出し、棚や床を洗ってくださったボランティアの皆様、地域の皆様、卒園児親子の皆様、保護者の方、幼稚園や保育園の先生方、本当に「ありがとうございました！」
　幼稚園を工事している２ヶ月間、施設を貸してくださった矢野西小学校の皆様、暑い中、坂の上まで送迎してくださった保護者の皆様、「ありがとうございました！」
　子供たちのために絵本や遊具を分けてくださった有志の皆様、広島市立幼稚園の園児の皆さん、「ありがとうございました！」
　そして、矢野幼稚園を復旧してくださった広島市教育委員会の皆様、暑い中作業してくださった工事関係者の皆様、「ありがとうございました！」
　　たくさんの「ありがとう」に感謝し、今、子供たちは笑顔いっぱい、元気いっぱい、矢野幼稚園で遊んでいます。この気持ちを忘れず、「大丈夫？」「手伝うから一緒に頑張ろう。」と言える人になってほしいと心から願っています。

写真　上　　正門を越え、矢野幼稚園の中を流れていく濁流。

写真　中　　10月には、何度も散歩に出かけました。

写真　下　　大好きな幼稚園でいつもの遊びができる幸せを感じながら。