厳しい寒さに見舞われた今年の冬でしたが、春の陽気に誘われ、桜も待ちきれないようにその花を開き、春爛漫の季節を迎えました。
本日はＰＴＡ会長様を始め、多数のご来賓の方々、保護者の皆様のご臨席を賜る中で広島市立安佐南中学校第３３回入学式が盛大に挙行できますことを、共に喜びたいと思います。
さて、希望に満ちあふれ今日を迎えた１６０名の新入生のみなさん、
入学おめでとう。教職員一同、心から歓迎します。
安佐南中学校の生徒としての第一歩を踏み出したみなさんは、小学校６年間で学んだことを基礎として、今日からこれまでにも増して、より多くの仲間、先輩達、先生方と義務教育後期の３年間自らを見つめながら、立派な大人へと成長していって欲しいと思います。
安佐南中学校は古市・大町地区に根を下ろして本年度で３３年目を迎えます。校訓「自主　協調　実践」のもと、学校の歴史を更に深く築くとともに、より高いステージへ昇ることを目指しています。
「自主」とは他人に頼ることなく、また、他人の命令や強制を受けることなく、自分の正しい考えで判断し、自分の意志で行動することです。
「協調」とは人々が互いに譲り合って、力と心を合わせ、協同調和してことを進めていくことです。
「実践」とは考えや計画を実際に行うことであり、また、必要なときに、自ら進んで行動することです。
「時を守り、場を清め、礼を正す」。本校ではこのことを大切にしていきたいと思います。チャイムは鳴りますが、自ら時計を見て行動できる人になって欲しい。
皆さんが社会に出たとき、多くの職場で、仕事始めと終わり、お昼の時間くらいしか合図がないでしょう。大人は時間を見ながら行動できるのです。自覚を持って時を守り行動できる中学生を目指してください。
また、自分達の学習環境は感謝の心をもって、清掃をする。感謝の気持ちがきれいにさせるのです。「ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる」。
ゴミに気づく、汚れに気づく人になってください。足元のゴミひとつ拾えぬ人に一体何ができるで
しょうか。
挨拶は笑顔で自分の方から心を込めて行う。このような誰にでも簡単にできそうなことをやり切ることが、本当は一番難しい。
立派な大人になるための大切で基本的なことが普通にできるようになる。これが一流の中学生だと思います。ナンバーワンは一人しかいませんが、皆さん一人ひとりが一流の中学生を目指し、「自主・協調・実践の人」になって下さい。
皆さんの、これからの３年間、そして長い人生の中で、苦しいことや、思い通りにならないこともあるでしょう。人は家族や周りの人への感謝の気持ちを持つことで強くなり、人との絆を感じることでがんばる勇気が湧いてくるのです。
同時に、皆さんには「折れない心」を育てていってもらいたいと思います。「今、自分だったらどうする」と、自分で解決する道筋を考える。大人になるための、大事な力です。優しく、しなやかで折れない心を、絆という命のつながりの中で、育んでいきましょう。
最後に、これからスタートする中学校生活の中で、勉強、部活動、生徒会活動、学級活動、何でもよい。まず、自分の打ち込める目標を見つけて下さい。そして、それに向かって、精一杯努力する。正しい努力を継続してこそ意味があります。一日の努力の差は小さくても、一年たてば大きな差となって現れてきます。
本校には、やる気に満ちた先生方が沢山いらっしゃいます。みなさんが期待をしていることは、全力をあげて取り組めば、必ず応えの出せる学校です。今日の希望に満ちた気持ちを大切にして、充実した中学校生活を送って下さい。
１６０名の新入生のみなさん、期待しています。
保護者の皆様、お子様のご入学、心からお祝い申し上げます。
子供たちは、学校だけ、家庭だけで育つものではなく、保護者の方、地域の方々との信頼ある連携のもとに健やかに成長するものと信じています。どうぞご協力、ご支援、よろしくお願いします。
また、全教職員、力を合わせ、お子様一人ひとりの成長を支援をしていく所存です。本校は、常に開かれた学校として、保護者、地域の方々と連携を保ちながら、学校教育を進めて参ります。
今後とも格別のご理解とご協力を賜りますことを申し上げ、式辞といたします。
平成２７年４月８日
広島市立安佐南中学校長
吉村　俊一